ハウスのスマート化改良、野菜の成長を「スマート」に

人民網日本語版 2022年04月06日13:40

スマート農業設備を設置中の国網天津宝坻公司の職員。画像出典:中国電力新聞網

天津市宝坻区小辛碼頭村で、村人の孫利明さんは、「この低炭素ミニトマトは売れ行きが好調で味もいい」と言いながら、トマトと卵の炒め物を両親に渡し試食してもらった。人民日報が伝えた。

孫さんが語る低炭素ミニトマトとは、現地の勧宝農産物有限公司の農業スマートハウスで作られたものだ。ハウスに入ると、目の前に緑が広がっていた。作業員たちは慣れた手付きで各種野菜を収穫していた。このスマートハウスの責任者である王義順さんは、「野菜を数十年栽培しているが、低炭素と関わるとは考えもしなかった。村のハウス栽培は数年前に、すべて電気化された。これ以上のテクノロジーはもうないと思っていたが、もっとすごいものがあるとは思わなかった」と述べた。

王さんが「すごい」と感じているのは、国網天津宝坻公司が省エネ・炭素削減の視点から、現地のハウスのスマート化改良を協力したことだ。ハウス内にスマート窒素固定設備を設置し、自然落雷による窒素固定を人工的にシミュレートすることで、空気中の窒素と酸素を電離させ水に溶かし、農作物に必要な硝酸態窒素を直接生成する。同時に太陽エネルギー土壌蓄熱システムにより冬のハウス内の地温を効果的に高め、1年中の高効率生産を実現している。王さんは、「キュウリとトマトを毎冬の栽培回数を1回増やすと、年間生産量が2割前後増える。しかも太陽エネルギー蓄熱によりコストも大幅に下がる」と述べた。

ハウス内の片隅には、両開きの小型冷蔵庫のような設備が置かれていた。王さんによると、これが野菜生産の炭素削減の「秘密兵器」だ。「窒素肥料の生産と輸送で大量の二酸化炭素(CO2)が発生する。トマトを例にすると、この設備があれば1ムー(約6.7アール)当たりで窒素肥料の購入・使用を60%以上減らせる。生産コストを下げるだけでなく、炭素排出の削減にも役立つ」と王さん。

王さんによると、自分たちは最近、野菜の炭素ラベルをデザインしたという。QRコードをスキャンすることで、炭素削減のプロセスと効果をはっきり知ることができ、人々はより安心して食べられる。炭素削減、増産からトレーサビリティに至り、小辛碼頭村の低炭素野菜が現地の食のトレンドになりつつある。

国網天津宝坻公司は現在まで現地に8セットの窒素固定設備の設置を協力し、5500平方メートルのハウスにおける低炭素野菜栽培をけん引している。また同社は現地の野菜生産企業の需要に基づき、企業向けにスマート農業設備をカスタマイズしている。

超音波除藻設備、マルチスペクトルスマート殺虫ライト、節水型微量灌漑など、企業は多くの革新的な改良により、省エネ・効果向上とグリーンな生産を実現している。改良後、企業の電力負荷と電力消費量の上昇は大きくないが、それによって得られる収益は支出を大幅に上回っている。人の手で水を撒いていたハウスは改良後すべて自動化・定時化の水撒きを実現した。しかも自動水撒きシステムは省エネで、省エネ・効果向上の目的を真に達成した。スマート緑藻除去設備は水域内の緑藻を効果的に除去し、人の手による除去の費用を削減した上、エリア内の見学環境を改善した。スマート化改良は企業のコスト削減、利益向上を助けただけでなく、化学肥料や殺虫剤の使用を減らし、高い環境保護・社会的効果を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年4月6日

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