連日にわたり資本市場の神経をとがらせてきた米国の利上げプランがついに実行に移された。米現地時間の今月4日、米連邦準備制度理事会(FRB)は基準金利を0.5%引き上げて0.75-1.00%にすることを明らかにした。中国新聞網が伝えた。
これは今年2回目の利上げであり、また2000年以来の0.5%もの大幅な利上げでもある。FRBは6月1日から保有する米国債、社債、不動産担保証券を減らし、当初は毎月475億ドル(1ドルは約130.7円)を上限に減らし、上限額は3ヶ月後に毎月950億ドルに拡大するとしている。
中泰証券の李迅雷チーフエコノミストは、「FRBの今回の利上げとバランスシート縮小のサイクルは来年末まで続くと予想される」と述べた。
招商基金管理有限公司も、「今後のインフレの転換点がFRBの量的引き締め政策の核心であり、大きな確率で予想を上回る引き締め政策が行なわれることはないとみられる」と分析した。
中国への影響はどうか?
粤開証券チーフエコノミストで、粤開証券研究院の羅志恒院長は、「FRBの量的引き締めの加速は、貿易往来、資本流動、為替変動など複数のルートを通じて中国に波及効果を及ぼす」との見方を示した。
羅氏によれば、「FRBはこれからも引き続きインフレを抑えるために利上げを行なうだろう。ドル指数は強気を維持するかもしれないが、中国経済と資本市場は引き続き外部からの大きな圧力に直面する可能性がある」という。
羅氏は、「第1に米の利上げ後は外部需要が鈍化し、中国の輸出が下方圧力に直面し、中国国内の安定成長にかかる圧力が増大する、第2に資本の流出は国際収支のバランスに影響し、相場下落のリスクが増大する。第3にリスク回避ムードが広がり投資家のリスク選好度が低下し、中国国内金融市場のリスク資産の価格が下落する。第4に個別の業界でファンダメンタルズと資金調達の条件が低下し、米ドル建ての対外債務の償還にリスクが発生する」と続けた。
前出の李氏は政策について、「FRBの利上げは中国の金融政策の可能性をある程度制限するかもしれない。現在、中国のインフレ圧力も上昇しており、価格政策を応用して調節を行なう可能性が制限されている。これから中国は預金準備率引き下げ、再貸付、公開市場操作など数量を調節するツールにより多く頼ることになるだろう」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年5月6日