仕事と子育ての両立が難しい働くワーキングマザーの打開策は?

人民網日本語版 2022年05月09日16:41

「外に出ればつらい仕事をして、うちに帰れば子どもの面倒を見なければならない」。これはワーキングマザーになった働く女性の多くのリアルな姿だろう。子育てと同時に仕事の手も抜けず、「2つの顔」を持つことは働くすべてのワーキングマザーにとって非常に大きなチャレンジだ。この問題は各家庭に困難をもたらすだけでなく、社会全体の関心事にもなっている。

「次から次へと押し寄せる母親の役割」がもたらす二重の圧力

深夜2時、金雅さんは娘をあやしながら、パソコンを開けて仕事の改修プロジェクトのファイルを開いた。産休が終わって職場に復帰すると、早くリズムに慣れなければならない一方で、赤ちゃんに授乳したり世話をしたりしなければならなくなり、「がんばりたい気持ちはあるのに思うようにならない」状態だという。

「子どもにかかるお金は想像していたよりもかなり多く、家庭の経済的負担を軽くし、ミルク代を稼ぎたい」として働き始めた金さんだが、職場復帰した当初はなかなか慣れず、子どもの世話の合間を縫って仕事をし、一日の睡眠時間は4-5時間しかなかった。「みんな996(朝9時から夜9時まで一週間に6日間働く)はきついと言うけれど、子どもの世話は007(年中無休)だ」と金さん。

多くの働くワーキングマザーは金さんと似たり寄ったりで、仕事と家庭のバランスをどう取るかを繰り返して模索し、何とか生活のリズムを作ろうとしている。

最近、ある機関が発表した「2022年働くワーキングマザーの生活状況調査報告」によれば、子どもを産みたいと強く願わない原因を考えると、働くワーキングマザーにとっては「経済的負担」が一番目の原因だという。次は「仕事が忙しすぎて、子どもの世話をする時間がない」だった。

復旦大学社会発展・公共政策学院社会学部の沈奕婓准教授も以前にメディアの取材に答える中で、「『次から次へと押し寄せる母親の役割」が働く女性に無形の、息詰まるような圧力をもたらす。中国は女性の就業率が他国よりも高く、働くワーキングマザーは仕事と家庭と二重の圧力に直面しなければならない』と述べた。

ここ数年、働くワーキングマザーをサポートするため、政府はさまざまな措置を打ち出した。今年の政府活動報告の中では3人までの出産を認める政策の関連措置を充実させ、3歳以下の乳幼児の養育に関する支出を個人所得税の特定控除対象にし、包摂的な託児サービスを発展させ、家庭の養育負担を軽減することが提起された。

「パートナー」は役に立たない 働くワーキングマザーへのサポートはどこに?

同報告によると、働くワーキングマザーの2割以上が「ワンオペ育児」をしているという。統計によれば、働くワーキングマザーの38.4%が「パートナーに家事や育児を分担する余裕がある」と答えたが、「夫は基本的に家事と子育ての責任を分担しない」と答える人も23.1%いる。

実際、最近は出産や子育てへのサポート強化の面において、父親が家庭での子育てで「不在」であることが重視され、各地が男性の産休や育児休暇などを打ち出した。

就職差別を緩和 働くワーキングマザーが列から脱落しないように

最近、働くワーキングマザーがぶつかる「出産によるボトルネック」について、多くのワーキングマザーたちはワークライフバランスの難しさだけでなく、就職差別の問題も指摘している。

人口問題専門家の陸傑華氏は取材に、「就職に関して、多くの研究において、女性の出産や育児などの役割がもたらすマイナス効果を『母親ペナルティ』と呼び、出産が女性に与える影響をありありとイメージさせる。たとえば女性が就職や昇進でぶつかる隠れた差別などがある。『母親ペナルティ』は現在の社会の環境の中に常に存在している」と述べた。

これについて、今年の政府活動報告は、性別や年齢などによる就職差別を断固として防止・是正し、労働者の合法的権利を侵害する突出した問題を着実に解決することを明確に提起した。

このほか、多くの地域も、産休を延長しても昇進に影響したり賃金を調整したりしてはならないと規定する政策を打ち出した。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年5月9日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング

  • 全部
  • 経済
  • 社会
  • 政治