スニーカーを買おうと思った時、以前ならナイキとアディダスの名前が真っ先に浮かんだが、年に一度の6月18日のショッピングイベント「618」の今年の様子を見ると、ECプラットフォームのスニーカー売り上げランキングには安踏、李寧、特歩、鴻星爾克などの中国ブランドの名前がたびたび登場するようになった。中国新聞網が伝えた。
アディダスがこのほど発表した2022年第1四半期(1-3月)の決算によると、欧米市場では成長ペースを維持したが、中華圏の売上高は前年同期比で35%減少し、この大幅減少が全体の業績の足を引っ張ることになったという。
ナイキ中華圏の売り上げも減少傾向が明らかで、22年第3四半期(21年12月-22年2月)の中華圏での売上高は同5.2%減の21億6千万ドルだった。
業績だけでなく、市場シェアも低下した。英市場調査会社のユーロモニターがまとめたデータによると、21年にナイキとアディアスの中国市場シェアは計40%に低下し(ナイキ25.2%、アディダス14.8%)、18年から20年まで保っていた43%に届かなかった。一方、安踏集団がシェアを16.2%に伸ばし、初めてアディダスを抜いて2位に踊り出た。4位の李寧のシェアも8.2%に上昇した。
小売業界のコンルティングサービスを提供する上海尚益企業管理諮詢有限公司の社長で小売業専門家の胡春才氏は、「これまで中国のスニーカーブランドはイノベーションの力が足りず、デザインもナイキやアディダスなど海外ブランドを模倣していたが。ここ数年は、研究開発力が大幅に強化された」と指摘した。
また胡氏は、「若者はもう海外ブランドに夢中になれなくなった。『国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)』ブームが起こり、李寧をはじめとする中国ブランドのデザインがよりファッショナブルになって、若者の間で人気が出た。中国ブランドは(海外ブランドよりも)マーケティングが上手で、ECやSNSなどのチャンネルでのPRにより注力している」と述べた。
こうした要因がナイキとアディダスが中国市場で後退し、中国ブランドが追いつき追い越そうとする現在の局面をもたらしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年6月17日
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