「神鷹天坑」の中で2億年前の海洋生物化石を発見

人民網日本語版 2022年06月23日15:25

自然資源部(省)中国地質調査局カルスト地形研究所の上級エンジニアである張遠海氏は22日、「1週間の共同科学調査により、このほど発見された広西壮(チワン)族自治区楽業県の『神鷹天坑(天坑とは落込穴)』及びその他の3ヶ所の陥没ドリーネと鍾乳洞群が、いずれも地下川によって育まれた新しい天坑ファミリーであることを確認した」と述べた。科技日報が伝えた。

中国は天坑資源が非常に豊富だ。データによると、中国ですでに発見されている天坑群は31ヶ所で、天坑の数は270個を超え、世界の既知の天坑数の9割近くを占めており、主に広西チワン族自治区、貴州省、重慶市、雲南省、四川省、湖南省、陝西省漢中市などの地域に集中している。

天坑は貴重な地質遺産であり、地球が残した深い痕跡でもある。天坑の科学調査は地球の地質変動、生物的変化、植生の変化を研究する上で重要な意義を持つ。天坑は地殻隆起エリアに位置し、地下川や鍾乳洞に始まり、沈下により地表に出て、崖の退化により完了する。カルスト地形の変化、水文・地質条件の変化の奇跡を体験しており、カルスト地形の変化の歴史を記録している。

「今回楽業県で新しい天坑を発見できたのは、高画質衛星イメージングによるものだ。シャドーイング分析により天坑の潜在的な位置を発見してから、現場を調査し確認した」。張氏によると、同研究所の科学調査探検隊は5月上旬に楽業県の探検を終え、1個の標準的な天坑、すなわち「神鷹天坑」を発見・確認した。

「神鷹天坑」の深さは192メートルで、度重なる山崩れによって形成された。その底部には保存状態の良好な原生林システムが残っており、豊富で独特な自然資源を育んでいる。科学者は石灰岩におよそ2億年以上前の海洋生物の化石を発見した。

張氏は、「底部では、広西の新分布種、イワタバコ、ムササビの糞、岸壁のイワツバメ、トンビなどの動植物を発見した」と述べた。

なぜ広西は天坑が多いのだろうか。張氏は、これは雲貴高原が広西に向かい移行する傾斜地帯と豊富な雨量、また炭酸塩岩の緻密さ、硬さ、大きな厚みと高い関連性を持つ。また天坑は鍾乳洞のホールから変化したものだと分析した。「全国10大鍾乳洞ホールのうち広西は6つで、世界10大鍾乳洞ホールのうち広西は3つだ。広西の地下川の数も全国最多だ。そのため広西の天坑が多いのもおかしくない」と張氏。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年6月23日

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