「南京は永遠に忘れない」をテーマにした教育活動が今月15日、南京市の中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館で行われ、13人が「南京大虐殺歴史記憶伝承人」に認定された。これにより南京大虐殺の生存者の子孫が歴史の記憶を伝承し、歴史の真相を伝えるバトンを受け継いだことになる。新華社が報じた。
8月15日8時15分、「平和の鐘」を鳴らす行事が中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館の公祭広場で行われた。写真は「平和の鐘」を鳴らす南京大虐殺の生存者の子孫や南京市の青少年代表6人(撮影・劉宇軒)。
85年前の大惨事で、当時8歳だった夏淑琴さんは家族7人を失った。1937年12月13日午前、旧日本軍の兵士たちが夏さんの家に押し入り、9人いた家族は瞬く間のうちに、夏さんと4歳の妹の2人だけになってしまった。
教育活動に参加した夏淑琴さん。
「日本が降伏したのを知った時は、うれしくて涙が出た。家族に会いたい。みんな悲惨な死に方をした」。15日早朝に、93歳になった夏さんは記念館を訪問し、昔のことをつらそうに話した。
孫の李玉瀚君に「南京大虐殺歴史記憶伝承人」の証書を手渡す南京大虐殺の生存者の夏淑琴さん(撮影・劉宇軒)。
夏さんの孫・夏媛さんは取材に対して、「祖母が苦痛を忘れたいと思っているのが分かる。でも、祖母は『私が話さなかったら、悪行を忘れ、戦争を美化する人が出て来てしまう』とよく言っている。祖母の一番の願いは生きているうちに日本の誠意ある謝罪の言葉を聞くこと」とした。
大惨事を生き残ったものの、時間の流れを止めることはできない。今年に入り、生存者6人が相次いでこの世を去り、登録されている生存者は残りわずか55人となり、平均年齢も92歳となっている。
第一陣の「南京大虐殺歴史記憶伝承人」13人は、生存者10人の家族だ。
8月15日、「南京大虐殺歴史記憶伝承人」証書を手渡す南京大虐殺の生存者代表(撮影・劉宇軒)。
常小梅さんは取材に対して、「父親(常志強さん)は9歳の時に、家族6人が旧日本軍に殺害されるのを目撃した。父親が経験したことは動かぬ証拠で、日本の右翼のでたらめな言論に反論し、軍国主義復活を阻止することが私たちの使命だ」と語る。常志強さんの人生を記録するために、常小梅さんは中国語、日本語、英語の3ヶ国語で「南京大虐殺生存者・常志強の生活史」を出版した。
息子の葛鳳亮さんに「南京大虐殺歴史記憶伝承人」証書を手渡す南京大虐殺の生存者・葛道栄さん(写真提供・中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館)。
中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館の周峰館長によると、「今後、『伝承人』チームをさらに拡大させる計画だ。そして、一人でも多くの生存者の子孫や遺族がその隊伍に加わり、共に南京大虐殺の歴史の真相を永遠に語り継ぐよう呼び掛けている」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月17日