中国科学技術大学がこのほど明らかにしたところによると、同大の呉曼青院士が率いるチームの陳彦教授や孫啓彬研究員などが取り組むワイヤレス人体感知の研究で、重要な進展があった。ミリ波レーダーによる非接触式人体心電図リアルタイムモニタリングを実現し、心電図が接触式センサーでしか得られない限界を突破した。これに関連する研究成果は「IEEE Transactions on Mobile Computing」に掲載された。科技日報が伝えた。
呉院士のチームは現在の公衆保健分野の問題点に焦点を当て、従来の心電図モニタリングの接触式という応用のボトルネックを突破するために非接触式心電図モニタリング技術の研究を行った。陳教授らは心臓の電気活動と機械活動は心臓活動と同源だが異なる表徴を呈するという特性を利用し、ミリ波レーダーを使用し非接触式で体表の心臓機械活動を測定し、4次元心臓機械活動信号を抽出した。その後ディープニューラルネットワークモデルを利用し心臓の機械活動と電気活動の間の非線型写像関係のモデリングを行い、データ駆動方式により当該部位の転換の問題を明らかにするとともに、最終的に心電図波形を復元した。
「非接触式心電図は時間の平均精度が14ミリ秒以内、形態の平均精度が90%以上のモニタリング性能を実現した」。陳教授によると、このほか、同方法のモニタリング結果は心血管疾患の診断における重要指標であるPR間隔の安定的なモニタリングをサポートし、その誤差は9ミリ秒以内となる。同指標は不整脈や心筋梗塞などの疾患に対して重要な診断の価値を持つ。
陳教授は、「我々は現在、関連病院と協力している。臨床の許可が下りれば、同技術は不整脈や心筋梗塞などの疾患の日常的なモニタリングと診断に重要なサポートを提供することになる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年12月5日