中国の科学者が哺乳類の完全な染色体再編成を実現した。この成果は、染色体の大規模再編成の哺乳類の成長と発育、繁殖と変化などへの影響への認識を深めるのに役立ち、合成生物学分野の新たなブレイクスルーだ。新華社が伝えた。
同研究は、中国科学院動物研究所と北京幹細胞・再生医学研究院のチームが共同で行った。関連成果は26日、国際的な学術誌「サイエンス」にオンライン掲載された。
染色体は遺伝物質DNAの主な担い手だ。染色体再編成とは染色体に断裂が発生した上、その他の染色体と結合し、新たな染色体を構成することだ。科学研究では、生物変化で生じる染色体再編成は種の進化の重要な駆動力である一方で、個体水準で発生する染色体再編成は往々にして疾患を招くとされている。人工による染色体の正確な再編成の実現は、上述した現象の裏にある分子メカニズムを研究するための前提だ。
研究者は今回の研究で、マウスの半数体胚性幹細胞を選び、ゲノム編集ツール「CRISPR」を使い、最も長い1・2番染色体の正負の結合及び中程度の長さの5・4番染色体の先端と末端の結合に成功した。そして半数体幹細胞を卵母細胞に注射することで、染色体が結合したマウスを成功裏に作成した。
中国科学院動物研究所の李偉研究員は、「染色体の正確な再編成技術は、染色体再編成疾患の動物モデルを構築し、染色体再編成による不妊や腫瘍などの疾患の発生メカニズムを研究し、疾患の治療手段を模索するための新たな技術手段を提供している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月29日