山東半島は最近、今シーズンの冬3回目の大雪に見舞われた。そして威海市では局地的にドカ雪となった。では一体どれほどの雪が降ったのだろうか?ネットユーザーは、雪に埋もれてしまった車を掘り出す映像を投稿している。また、せっかく掘り出したのに自分の車ではなかったというケースも発生しているため、「まず、雪をかきだして、車のナンバーを確認したほうがいいよ」と経験を共有するネットユーザーもいる。
中国で「雪」というと、東北エリアを連想する人がほとんどだろう。しかし、山東省の沿海都市2都市も、冬になるとまとまった雪が降ることが多く、海と雪がコラボレーションする独特な冬景色が広がるため、中国の「雪どころ」と呼ばれていることはあまり知られていないかもしれない。その都市とは、煙台市と威海市だ。
毎年冬になると、煙台市と威海市の降雪量は、山東省の他の地域よりも目に見えて多くなる。2都市では、寒気が南下して上昇してきた海面の暖かい水蒸気とぶつかってできる「海水効果雪」が降ることが多く、それが降雪日に占める割合は80%以上に達する。今シーズンの冬、山東半島では「海水効果雪」が3度降った。そして、3度とも半島の一部の地域ではドカ雪となった。
「海水効果雪」は、中国の黄海や渤海の沿海地域特有の気象現象となっている。まとまった雪が降りやすいのは、山東半島の低い丘陵の北部沿海地域で、丘陵以南の地域になると雪の量がぐんと減る。降雪量が多いというのは、「海水効果雪」の特徴の一つだ。
煙台市と威海市で「海水効果雪」が多いのはなぜ?
「湖水効果雪」とも呼ばれる「海水効果雪」は、水蒸気を多く含む海上の空気と、冬の内陸部の地表温度に比べて高い海水の水温により、海面上方に暖かく湿った空気が生じ、そこに寒気が南下して、海面上方の暖かく湿った空気が一定の高さに達した時、雪の結晶となり、それにより降雪が発生する現象を指す。
山東半島を例にすると、煙台市蓬莱区から栄成市の成山頭までの一帯の沿海地域で、特によく降る。威海市は、山東半島の東端に位置し、北、東、南が黄海に面するという独特な地理的位置にあり、「海水効果雪」が降りやすい条件が整っている。
また半島北部の沿海の丘陵・山地や海岸の地形も、暖かい水蒸気が雪雲へと発達する高さにまで上昇しやすい条件を整えており、雪雲の発達に拍車をかけている。
2021年12月25日の「海水効果雪」の動き。
「海水効果雪」が降ると、美しい雪景色が広がるものの、雪の日に車を運転するのは危ないため、安全にはくれぐれも注意し、しっかりと防寒対策も講じよう。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月29日