一日当たり1億個以上 宅配便に見る農村消費市場のポテンシャル

人民網日本語版 2022年12月29日14:04

1千億個。これは国家郵政局の宅配便ビッグデータプラットフォームがまとめた、2022年12月1日時点の最新の宅配便業務量のデータだ。昨年より7日間早くこの数字を達成した。それと同時に、ここ数年、農村では宅配便物流システムの構築ペースが加速し、「宅配便の農村進出」のカバー率が上昇し続けた。今では農村に運ばれ、農村から運ばれる宅配便は一日当たり1億個を超え、ここから農村消費市場のポテンシャルがうかがえる。

――農村から中国全土へ 農産物の流通がよりスムーズに

今年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)に、江西省の若者の(左から右へ)凌雨南さん、藍寧さん、凌永春さん、呉海平さんたちが共同設立したEC企業が、新鮮なネーブルオレンジの注文を1日で1万件以上獲得した。

果樹園で収穫し、仕分けの作業場に運ばれ、仕分けされ、箱に詰められ、車に積まれ……12月の江西省贛州市尋烏県では忙しそうな光景が見られた。新鮮なネーブルオレンジを詰めた箱が1つまた1つと中国全土をカバーする宅配便ネットワークを経由して、農村から中国各地へ運ばれていった。

贛州は「世界的なネーブルオレンジの里」と呼ばれ、中でも尋烏は贛州南部の中核的なネーブルオレンジ生産エリアだ。現地にとって重要な商品作物としての「尋烏贛南」印のネーブルオレンジは、今年は11月1日に収穫が始まり、生産量は22万トンに達する見込みだ。

データによると、今年第1-3四半期(1-9月)には、中国の農産物ネットワーク小売額は前年同期比8.8%増の3745億1千万元(1元は約19.2円)に上り、成長率は同7.3ポイント上昇した。

国家郵政局郵政業安全センターデータ管理処の許良鋒処長は、「ライブコマースECなど新しいタイプのECが急速に発展するにつれ、宅配便業務量の供給構造の最適化が一層進み、より多くの種類の物品が、特にますます増加する農業特産物が、この大きなネットワークを通じて中国全土の大市場と結びつくようになった」と述べた。

東南沿海地域から西北内陸地域へ、絶えず補い合いながら緻密に張り巡らされた宅配便ネットワークが、宅配便の流通をよりスムーズにし、ますます多くの農産物がこのネットワークを通じて中国全土に直接販売されるようになり、海外に進出したものも少なくない。1つ1つの宅配便が農家の収入増を支え、農村の産業発展への道を敷いた。

――ネットで注文すると宅配便が家まで届く 消費財が農村の大市場に進出

農産物の中国全土での好調な販売が実現したと同時に、ますます多くの消費財が1つ1つの宅配便によって農村に進出し、農家の買い物の選択肢をより豊富にしたと同時に、農村消費の範囲を拡大した。

中国各地で、宅配便の農村進出プロジェクトの本格的な展開につれて、農村の宅配便物流システムが改善し続けた。国家郵政局のデータによると、中国の建制村(省市級国家機関による承認を経て設置された村)では宅配便サービスのカバー率がすでに90%に達したという。

ますますスムーズになる宅配便の物流システムが農村の人々のオンラインショッピングを非常に便利なものにした。「手元にお金があり、ネットショッピングも便利になった。買い物をするのにわざわざ町まで行く必要がなくなり、定期市が開かれるのを待つ必要もなくなった」と話すのは河北省の農村に住む貝慶華さんで、宅配便の農村進出がもたらした便利さを実感しているという。

ビジネスビッグデータのモニタリングによると、22年第1-3四半期に、中国全土の農村ネット小売額は同3.6%増の1兆4978億5千万元に達したという。

――配送ネットワークがますます密に 農村消費のポテンシャル発揮をサポート

12月14日、中国郵政集団有限公司新疆維吾爾(ウイグル)自治区烏魯木斉(ウルムチ)郵政区センターで、車から降ろされたばかりの宅配便が、輸送ベルトを通じて仕分け作業ラインへ運ばれる様子。(撮影・蔡増楽。画像提供は人民図片)

商務部(省)、財政部、国家農村振興局は今年、県域での商業建設行動を共同で計画・実施し、各地が農村商業施設の不足点を補い、農村のECカバーエリア拡大を加速させるよう支援した。22年上半期には、中国全土で県レベル物流配送センター69ヶ所と村エリアのコンビニエンスストア6万5千店が新設・改修された。

「ファーストワンマイル」と「ラストワンマイル」を切り開くことは、物流企業の業務展開の方向性にもなった。

22年、総合物流サービス企業の順豊の農村サービス協力ステーションスポットは10万ヶ所に増え、そのうち新たに開設された農村代理協力スポットは3万ヶ所に上り、「家のドアまで運ぶ宅配便」業務を進めた。同年12月時点で、物流企業の菜鳥は中国全土1千ヶ所に上る県エリアの宅配便企業4千社余りが農村宅配便物流スマート共同配送プロジェクト建設をサポートした。

国務院発展研究センター市場経済研究所の王青副所長は取材に、「デジタル技術が三-六線都市と農村エリアへ本格的に広がり、農村のデジタル化流通システムと商業施設の改善が続くのに伴って、小都市や農村地域の消費のポテンシャルがこれから持続的に発揮されるだろう」との見方を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年12月29日

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