ドローンを操作して撮影する呉宏坤さん(写真提供・本人)。
新疆生産建設兵団第四師可克達拉(コクダラ)市の浜河公園に早朝に行くと、あたり一面が銀世界となった大地や雪化粧が施された木々といった息をのむような景色を、呉宏坤さんが次々とカメラにおさめていた。中国新聞網が報じた。
農地を開墾する新疆生産建設兵団の第三世代で「90後」(1990年代生まれ)の呉さんは今年の北京冬季五輪の開会式で、自身の作品3点が二十四節気のカウントダウンに採用されたことがきっかけで、中国の多くの人に知られることになった(撮影・呉宏坤)。
「千里の道も一歩から、塵も積もれば山となる」と言われるように、呉さんも、毎日のコツコツとした積み重ねが、夢に近づく「近道」だと感じている。今年を振り返っても、毎日撮影してきた約100本の動画や1000枚以上の写真全てが彼にとって何よりの成果だとしている。
呉宏坤さんが撮影した農耕の様子。
「撮影しているのは、風景に限っておらず、時には人や文化の方が多いこともある」。撮影が終わると、呉さんは毎回、スマホのメモアプリに、感じたことを記録しており、その言葉の節々から写真に対する熱い思いが伝わって来る。
呉宏坤さんが撮影したレイヨウ。
今年、呉さんが撮影した広大な田畑や新疆維吾爾(ウイグル)自治区伊犁哈薩克(イリ・カザフ)自治州の杏花溝を撮影した動画を通して、中国の多くの人が新疆維吾爾自治区や兵団の美しい大自然を楽しんだ。
呉宏坤さんが撮影した新疆の美しい風景。
「僕は兵団の人間」と話す呉さんは、どこで写真を撮影する時も、自分が兵団に連なっていることを忘れていない。呉さんは長年、フォロワーの多いショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」を通して、農産品の販売を全面的にバックアップしている。例えば、今年はアンズの収穫期に、ECを通してアンズの注文を5000件以上集め、農家25軒が合わせて10トン以上を販売できるようバックアップした。
呉宏坤さんが撮影した野生のロバ。
また、地元の特産品である「糖心リンゴ」の販売ルートを開拓しなければならないことを知った呉さんは、その開拓をバックアップし、リンゴ畑に1ヶ月滞在して、伊犁哈薩克自治州の「抖音」の有名人約10人を招き、力を合わせて、同自治区内外から注文7000件を集め、合わせて100トン以上を販売した。
そんな呉さんは、「今年は新型コロナウイルス感染拡大の厳しい試練を経験したが、人生についてより多くのことを考えることもできた。それは今を大切にし、自分の好きなことをすることだ。兎年の来年も、さらに多くの美しい風景をカメラに収めたい」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月30日