江蘇省蘇州市の赤十字会にこのほど、5トンの野菜が届けられた。寄贈したのはある男子大学生で、寄贈に至るまでの物語に、ネットユーザーから、「心温まる」や「励みになった」といったコメントが寄せられている。
大学に通いながら働いて貯めたお金で困っている農家をサポート
「野菜は昨晩収穫されたばかりのもので、今朝積み込んで運ばれてきたので、とても新鮮」。蘇州市の滄浪街道(エリア)総合シルバーサービスセンターでは、ボランティアがトラックから、白菜やステムレタスといった野菜を運び出していた。野菜は管轄区内の高齢者たちに配布される計画で、2000人以上がその恩恵を受けることになる。
スタッフによると、蘇州市赤十字が今回受け取った野菜を寄贈した林智輝さん(18)は、蘇州工業園区服務外包職業学院に通う大学生2年生。「実家は南通市で農家をしており、偶然、野菜が売れ残っていると聞いて、農家を助けるために何かをしたいと思った。祖父も地元の農家だし、子供の頃から農村で暮らしていたので、農家がどれほど大変かをよく知っているから」と林さん。
林智輝さん。
林さんは村の党支部の書記に連絡を取り、「売れ残っている一部の野菜を買い取りたい」と伝えたところ、書記が村民に呼び掛け、5トンの野菜が集まったという。
林さんによると、5トンの野菜は約9000元(1元は約18.9円)で、大学に通いながら働いて貯めたお金だという。林さんは、「お金を払ってから両親に伝えたら、僕の決定に賛同してくれた」と話す。
林さんによると、大学1年の時に、教師や同級生のサポートの下、キャンパス内にパソコンやスマホなどの修理店を開いたという。林さんは、組み込み技術の応用を専攻しており、同級生と一緒に、江蘇省の技能コンテストに出場して、一等賞を獲得したこともある。林さんたちのチームは今、主にスマート照明の研究開発に取り組んでおり、すでに初歩段階の製品も完成させているという。
そんな林さんは、「起業する時に、学校や教師がサポートしてくれたので、自分も実際の行動で、社会に恩返しをしたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月22日