ここ数年、中国のアニメーション産業の発展が世界の注目を浴び続けている。フランス通信社(AFP)の報道によると、中国のアニメ映画「アートカレッジ1994(原題:芸術学院)」がベルリン国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。日本のアニメ監督の新海誠氏はこのほど、「世界のアニメの舞台で、中国作品の質が急速に上昇している」と述べた。
米娯楽誌「バラエティ」によれば、中国はここ数年、アニメ分野での国際協力を次々と展開してきた。最近は中国と米国のチームが共同制作したアニメ映画「超級英雄美猴王:斉天児(The First Superhero: Monkey King)」がベルリン国際映画祭併設マーケットであるヨーロピアン・フィルム・マーケット(EFM)に登場し、観客の目の前で「西遊記」の文化的要素を示した。
過去20年で中国のアニメ産業は大きな発展を遂げた。まず制作の量の問題を解決した。2000年の中国アニメ制作量はわずか数千分だったが、11年には26万分を突破し、世界の年間アニメ制作量の70%近くを占め、中国のアニメ産業は資源の集積・流通する産業の先進地になった。
2012年以降、中国のアニメ産業の政策の重点は制作量増加の奨励から、イノベーション能力の育成と作品の質の向上へと変わってきた。インターネットコンテンツクリエイティブプラットフォームのイノベーション奨励メカニズムにより、産業の資源が適切に集約し、数多くの質の高いアニメ作品がここ数年は海外市場で好評を博している。
同時に、中国はグローバルアニメ産業チェーンでの地位を大きく向上させており、産業の「スマイルカーブ」の底部に当たる下請けから収益率の高いカーブの両端へとシフトしている。
中国のアニメ産業が発展した背後には複数の要因による後押しがある。第一に、イノベーションが推進する発展戦略の加速的な実施が、中国のアニメ産業のイノベーションの優位性育成に政策的な支援を提供している。
第二に、アニメ産業は地理的位置や空間を超越した仮想産業クラスターを徐々に形成し、市場化スタイルによって資源の合理的配置を促進し、イノベーションの効率を効果的に高め、国際競争における規模と影響力が大きくなった。
第三に、著作権保護の意識・メカニズムが徐々に強化され、産業のイノベーションと創造の活力が活性化された。
第四に、20数年にわたる高度成長をへて、中国のアニメ産業にはクリエイティブ人材が大量に蓄積された。中国の大学はアニメ産業のために新たな力を絶えず育成し、産業発展の持続可能性を保証してきた。
現在、中国のアニメ産業の海外進出の見通しが極めて良好で、子ども向けアニメからあらゆる年代が楽しめるアニメへと発展する重要な時期を迎えている。今後は、次の3つの面で引き続き力を発揮することが可能だろう。(1)クリエイターが優先される奨励メカニズムの強化(2)文化伝達関連政策の協同強化、中国の超大規模な市場がもつ生来の優位性のさらなる発揮(3)従来のアニメ産業パーク発展モデルのインターネット技術に基づいた新型アニメ産業の資源集約モデルへの転換、より広大な市場空間における資源の効果的な配置、産業資源の深刻な断片化という問題の解決だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月16日