四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で5月18日、1人の男性が突然意識を失ってその場に倒れた。その時、ちょうど居合わせた医療関係者4人がすぐに駆け付けて、救命措置を実施。また、同基地の職員もすぐに現場に駆け付けて救命措置に加わった。
すぐに救命措置が行われたことが功を奏し、男性は命に別状がなく、意識もすぐに回復し、その後病院へと搬送された。ある観光客がその様子を捉えた動画をネット上に投稿すると、「白衣の天使」である4人がたちまち話題となった。
ネットの力を活用してその4人を探し出そうと、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は今月21日夜、ネット上にメッセージを書き込み、「生涯無料パスポート」を贈呈したいとした。
その後、ついに4人と連絡が取ることができ、4人は浙江省の杭州市臨安区第四人民病院の医療関係者の王瑛さん、呉錚錚さん、許衛紅さん、程瓊麗さんであることが分かったという。
王瑛さんは、「私たち4人は一緒にパンダの『花花(ファーファー)』を見に行く予定だったが、列に2時間並ばなければならないということだったので、とりあえず回り道をして他の所を見にいくことにした。その途中で、人が倒れているのを見かけて、あれこれ考えることなく、走り寄った」と当時の様子を振り返る。
4人が駆け付けた時、男性を取り囲んでいた人たちも、「医師が来てくれた」と道を開けてくれたという。
動画を見ると、黄色の服を着た女性がしゃがみ込んで心臓マッサージをしている。その女性は看護師の呉錚錚さんで、「男性は意識がなく、頸動脈拍動が感じられず、鼻血が出ていて、口の中に嘔吐物はなかったので、すぐに心臓マッサージを始めた。一緒に来た同僚が、その場にいた人々の誰かがすでに救急車を呼んだことを確認した上で、マッサージを随時交代できるように、傍に待機してくれた。マッサージを30秒ほどして、交代しようとした時に、男性が意識を取り戻し、救急車も到着した」とした。
「スケジュールの関係で結局、『花花』には会えなかったけれど、男性を助けることができたので、心残りはない。『花花』にはまた会いに行けばいい」と王瑛さん。
4人によると、その場にいた他の観光客もとても協力的で、4人が到着する前にすでに救命措置をしていた人もいれば、救急車を要請する電話をした人もいたといい、「命を救うリレー」となった。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月24日