2022年10月には、七輪を囲んで温かいお茶を飲むという目新しいスタイルが注目を集めた。伝統的な茶館と違い、重要視されるのはお茶を入れるプロセスそのものだ。友人同士で集まって七輪を囲んで座り、中国スタイルのシーンと現代的なクリエイティビティが結びつき、若者が気軽に集まり写真を撮って楽しむネットの人気コンテンツになった。夏が近づいてきて、気温が徐々に上昇すると、温かいお茶は飲まれなくなった。すると七輪を囲んで冷たいお茶を飲むスタイルが突如出現し、ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」では関連のショート動画の再生回数があっという間に延べ1500万回を超えた。
冬の温かいお茶と違い、冷たいお茶スタイルでは七輪の炭火は氷とドライアイスになり、水を注ぐとドライアイスの煙がもくもくと上がって、また違った雰囲気が味わえる。現在、飲食店が提供するこのスタイルの1人あたり消費額は100-300元(1元は約19.5円)が一般的だ。
七輪を囲んで冷たいお茶を飲むための道具も人気で、検索指数は前週比14%増の502万に達し、一時は淘宝(タオバオ)の検索トレンドで1位になった。それに関わる商品数は1千種類近くに上る。夏の盛りはまだだが、北京地区にはこのスタイルを提供する飲食店がすでに10ヶ所以上ある。
一部のSNSを見ると、新スタイルに対する購買意欲を植えつける投稿を数多く目にすることができる。 実際に消費する層とこれから消費したい層は、セレモニー感を好み、中国の伝統文化が好きで、「自分の暮らしを人と共有したい」と考える女性が多く、中でも女子大学生とホワイトカラーの女性が中心だ。
多くのネットユーザーが、「七輪を囲んで冷たいお茶を飲むことは伝統文化の新たな表現形態」との見方を示し、飲食店の中には名作映画・テレビドラマの1シーンや古典文学に出てくる点心(おやつ・軽食)や飲茶(お茶を飲みながら点心を食べる)のセレモニー感を「復刻」するところもある。さらに、漢服(民族衣装)を着て集まって七輪を囲むネットユーザーもいれば、よりよい体験を求めて思い立ったが吉日式の旅行に出かけてこのスタイルを追求するネットユーザーもいる。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年5月15日