5月17日午前、オフショア人民元の対米ドルレートが今年初めて「1ドル=7元」の大台を割り込んだ。オンショア市場でも取り引きが始まると、人民元対ドルレートは下落を続けて7元の大台に迫った。この日、人民元対ドルレート基準値は前取引日に比べて242ポイント低下し、1ドル6.9748元になった。
中国光大銀行金融市場部の周茂華マクロ研究員の分析によると、ここ数年、世界の外国為替市場の変動が大きく、グローバル経済発展環境が厳しく複雑であることが反映されている。これまで中国経済は国内外の数々の複雑な要因の打撃を受けて、人民元の対ドルレートもたびたび7元を突破したが、すぐに7元以内に戻っていた。人民元は複雑な国内外の環境の試練を何度もくぐり抜け、人民元相場の柔軟性が大きく増強され、7元の大台に対する市場の見方もより理性的で客観的なものになっていた。
ここ数年来、人民元相場は上昇も下落も可能な柔軟性のある状態になっていた。現在は政策の面でも市場の面でも、相場の双方向の変動と大幅な変動に対する許容度と適応力が大いに増強されている。最新のデータによれば、4月の外貨決済率は72%で、今年第1四半期(1-3月)の月平均値に比べて8ポイント上昇した。外貨売却率は71%で、1-3月平均に比べて3ポイント上昇した。4月には企業などの経営主体の外貨決済・売却意欲がいずれも上昇した。ここから人民元相場への期待が安定し、外貨市場の取り引きが理性を保ち、需給が主体的なバランスを実現したことがわかる。
人民元相場の動向は主に市場の需給の影響を受け、国内外の経済金融情勢や国際市場の動向などとも関係がある。業界関係者は、「年初以来、中国の経済運営が安定して好転し、期待が改善し、国際収支が主体的にバランスを取り、外貨準備高は引き続き世界1位になり、このような良好なファンダメンタルズが人民元相場に対する力強い支えになっている。全体的に見て、今年の人民元相場は引き続き双方向に変動し、全体として合理的でバランスの取れた水準での基本的安定を維持するだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年5月19日