中国初の海上CO2貯留モデルプロジェクトのイメージ図。画像提供は取材先
中国海洋石油集団有限公司(中国海油)によると、広東省深セン市から南西に約200キロメートル離れた「恩平15-1」プラットフォームで1日、油田開発に伴い発生する二酸化炭素(CO2)が液体・ガス混合の超臨界状態になるまで回収、分離、加圧され、CO2再注入井を通じ、初期の一時間当たり約9トンのペースでプラットフォームから3キロメートル離れた、海底の800メートル超の塩分躍層に再注入された。中国初のCO2貯留モデルプロジェクトが正式に稼働開始した。人民網が伝えた。
中国海油深セン分公司の鄧常紅副社長は、「CO2を再注入する地層には『ドーム型』の地質構造がある。この地質構造はひっくり返した巨大などんぶりに似ており、自然の密封性を持ち、CO2の長期安定貯留を実現できる。同プロジェクトは毎年30万トンのCO2を貯留でき、累計で150万トンを超える見込みだ。これは1400万本近くの植林に相当する」と説明した。
「恩平15-1」プラットフォームはアジア最大の海上原油生産プラットフォームで、作業水深は約80メートル、所在油田群のピーク期の原油生産量は1日当たり7000トン以上。「恩平15-1」の随伴ガスのCO2濃度は95%にも達する。通常の方法で開発すればCO2が原油と共に地上に出るようになり、海上プラットフォーム施設と海底パイプラインを腐食させるだけでなく、中国のCO2排出量も増やしてしまう。
そのため、中国海油は「恩平15-1」油田でCO2貯留モデルプロジェクトを実施した。中国海油恩平油田社長の万年輝氏は、「7件の中国初の技術を革新的に応用し、中国初のCO2貯留装置を独自に研究開発・製造し、中国初の海上CO2再注入井を独自に設計・実施し、CO2のゼロエミッションを実現した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年6月2日