香港版アカデミー賞「金像奨」のノミネートリスト発表 (2)
■香港映画界の影響と変化
大陸部と香港の合作映画には、通常豊富な資金サポートがある。大陸部の市場が低迷する香港映画界に新たな道を提供しているのだ。1997年7月1日に香港が返還されてから10年以上が経ち、両地の映画界は「接触」から「熟知」へ、「模索」から「協力」への変化を経験してきた。合作映画はまさに、両地の映画界の協力の結晶だ。合作映画の撮影がまだまれだった頃は、慎重に手さぐりする状態だったが、今では、その数や興行収入の面で大きなシェアを占めるようになり、中国映画が良い方向へ発展するように影響を与えている。関連のデータによると、1997年、香港市場では大陸部の映画が計186本上映され、うち合作映画は13.44%に当たるわずか25本だった。代表的なのは、中国近代史上では最大の英雄とされる武術家・黄飛鴻(こう ひこう)を題材にした作品だ。一方、10年後の06年には、上映作品こそ52本にとどまったものの、うち合作映画は39本と、75%を占めるまでになった。
■合作映画が香港映画を救った
近年、大陸部と香港の合作映画は増加の一途をたどり、純粋な香港映画というのは少なくなった。そのため、「大陸部の映画が香港映画の座を奪った」という声もある。これに対して、陳主席は「全く逆で、合作映画が香港映画を救った。香港は完全に市場化された場所で、ハリウッド映画を前に、香港映画は危機に立たされている。香港返還後に大陸部と合作映画を制作する道がなければ、香港映画は大きく縮小していただろう。香港映画と大陸部の映画は本質的に何の差もなく、みんな中国語映画が台頭できる場所を探している」と指摘している。
専門家によると、「大陸部と香港のメリットを融合させた合作映画は同両地で重要な役割を担っている。両地の人々の好みに合わせた作品を制作するためには、巨額の資金が必要で、そのために両地の映画界は大きな努力を払っている。『香港映画の特徴が薄れている』との声もあるかもしれないが、合作映画が主流の国産映画となっており、多くの映画ファンを映画館に呼んでいる。そして、中国の興行収入も右肩上がりとなっている」。(編集KN)
◆はさんずいに文
「人民網日本語版」2013年3月15日