国家民委副主任、「一人っ子政策」に終止符を提案
中国国家民族事務委員会(国家民委)の呉仕民・副主任は7日午後、寧夏回族自治区代表団の討論に参加し、「新たな計画出産国策を早急に確立し、『一人っ子政策』に終止符を打つべき」との重要提案を出した。中国経済網が伝えた。
呉副主任の発言の要旨は次の通り。
「土地(国土)」「人口」「国家権力機関」が、国家経済・国民生活、国家の長期的利益、民族の興亡を左右する3大要素であることは言うまでもない。中国はこの30年あまり、計画出産の基本国策である『一人っ子政策』を推し進めてきた。その結果、2-3億の人口抑制が実現し、その成果は誰の目から見てもきわめて顕著だった。
このことから、この基本国策を国家が今後も堅持することを支持する理由は、枚挙にいとまがない。しかし現在、早急に計画出産政策を調整すべき新たな理由が生じている。基本国策をスタートして30年後に生じた、マイナス効果と様々な弊害がますます顕著化してきた現状こそ、この理由にほかならない。
一人っ子政策によってもたらたされた問題とは、以下4点に集約される。
(1)社会の高齢化問題
中国の高齢者人口は、2020年に2億人を突破、2050年には国民3人のうち1人が60歳以上の高齢者となると予想される。
(2)社会の活力低下
30年あまりの改革開放政策を通じて、豊富な人的資源という優位性が生み出された。しかし現在、沿岸部や江蘇・浙江両省一帯では、単純作業の労働力不足がますます深刻になっている。
(3)一連の社会問題
伝統的観念が根強いことから、誘拐・人身売買に絡む犯罪が後を絶たない。また、子供のいないディンクス家庭が増え続け、上海では、夫婦2人だけの世帯が100万世帯を突破した。
(4)一人っ子の教育問題
1980年代生まれや1990年代生まれの一人っ子は、物質的には恵まれているものの、思いやりの心や愛、感謝や恩義など道徳面の素質が欠けている。また、困難に立ち向かい乗り越える精神的な強さが育っておらず、特に身体的能力については、ますますひ弱になっている。中日両国の学校が昨年夏に北京で、サマーキャンプを共同で実施した。このうち、長距離走や綱引き、特に登山では、中国人学生は日本人学生の足元にも及ばなかった。日本人学生達は、「そんなひ弱な体力と精神力なら、中日戦争が起こっても、日本の勝利は間違いない」と冗談ではやし立てた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月8日