「舌の上で味わう中国」に続くドキュメンタリーは? (2)
■海外ドキュメンタリーの輸入には「手術」が必要
また方静氏は自分自身のある試みについても言及した。今年の年初に、番組「静看」は米国で極めて大きな公信力と影響力を持つメジャーテレビ局の米国公共電視台(PBS)と初めて共同で国際著作権に関する協力を展開した。海外の特集番組、ドキュメンタリー番組を素材にしてテレビスタジオで評論を行いながら連動させるスタイルで、中国人の視点でオリジナルの番組に対し編集、ローカライゼーションを行っている。また、テーマも適時性と注目度を原則として、世界で最近注目されている出来事や金融、科学、文化、社会、時事、政治に関する問題など幅広い話題を取り扱う。
現在、中国ではドキュメンタリーを好きな視聴者はまだ少数派である。これについては、専門家たちも「国内外のドキュメンタリーは中国で文化的土壌の育成が欠けている」と憂慮を示している。方静氏によると、「静看」の「素朴」な創作方法や心に深く刻まれる番組の発想が専門家から高い評価を受けている。しかし、教育チャンネルで放送されているドキュメンタリーの視聴率は決して高くない。この点では、熱い志も冷たい現実に直面しているが、幸運なことに、ネットのアクセス数が方静氏にある程度の自信をもたらしたという。
週刊誌「中国広播影視報」の江耀進・社長は「中国は腰を据えてじっくりとドキュメンタリーを製作する人材に欠けている。皆、目の前の利益だけを求め、何かの人気が出ると、そこに群がる。今はすべてが視聴率で測られる時代だ。しかし、我々はドキュメンタリー番組のアクセス数が高くなくても、必ず継続していき、思想の砦を守りたいと思っている」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年7月9日