宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」が公開 (2)
最初にこの物語を映画にしようと提案したのは、プロデューサーの鈴木敏夫氏だ。連載中の宮崎監督の「Model Graphix」を見た鈴木氏は「この作品を映画にしてみたい」と思いついたが、宮崎監督から「アニメーションは子供のために作るもので、大人のためにつくってはならない」と強く反対されたという。「彼(宮崎監督)と35年一緒に仕事してきて、初めて否定された」と鈴木氏は語る。
しかしこの映画を作れるのは宮崎監督のみであり、また彼でなければならない。鈴木氏はこの点は譲らなかった。「宮崎監督の戦闘機に対する詳しい知識と、彼の思想を貫く反戦思想という、こうした矛盾を抱える人間が初めてこの映画を作ることができる。」
プラスの評価は絶賛 マイナスの評価は「いつもと違う」
6月24日に行われた試写会で宮崎監督は「自分の作品を見て初めて泣いた」と語り、「恥ずかしい」、「しかし、この映画は私にとって大きな転機だ。初めての現実のテーマについての制作であり、初めての大人の恋愛のストーリー、初めての実際の人物を主人公にした作品だ」としている。そのため公開初日の興行成績が大きな成功をおさめたことを聞いた宮崎監督は「ほっとした」と述べている。
「戦争の場面の描写が残酷すぎる。」これは映画を見終わった多くの人の評価だ。実際、戦争場面の制作過程ではちょうど東日本大震災が発生した時期だった。全国的な災害に直面し、宮崎監督も内容を変更するかどうか迷ったが、最終的にはそのまま続けることを決定したという。「全てをこの映画に賭ける準備をしていたから、最後までやり遂げたかった。」(編集YH)
「人民網日本語版」2013年7月25日