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「大学進学率の上昇は人材発掘難招く」有馬・元文部大臣

 20カ国・地域以上から計400近くの大学・教育機関が参加する「第18回中国国際教育巡回展」がこのほど北京で開催され、日本からも東京大、早稲田大など名門校を含む計42大学が出展した。同展に出席した日本元文部大臣・有馬朗人氏(元東大総長)は中国の人材市場の今後について、日本や韓国の経験を引き合いに出し、「大学進学率の上昇に伴い、イノベーション人材の発掘が難しくなる」との見方を示した。中国青年報が伝えた。

 有馬氏にとって、中国での人材囲い込みはもはや避けがたい話題だった。有馬氏はかつて、中日両国のイノベーション人材育成・交流に関するシンポジウムで、「日本の人材不足を解決するためには、若い人材の育成だけでなく、海外の優秀な人材の呼び込みを急ぐ必要がある」と直言。「アジア各国の人材ネットワーク『アジア連合』を構築すべき」と訴えた。

 有馬氏が東大総長在任中、「周りの留学生は60%が中国人」だった。その後、理化学研究所理事長を務めた際には、中国からの博士課程院生と接するが、経験豊かな有馬氏の目にも「研究能力が高く熱心」と映った。

 「中国人留学生には、日本人学生にはまれな『創造性』」がある」と有馬氏は語る。

 30-40年前に比べ、日本人学生の全体的な学習力は向上したが、トップレベルの学生数は「少なくなる一方のようだ」とした上で、有馬氏はその原因として大学進学率の上昇を挙げた。「日本の課題は、これほど多くの大学生の中からいかに特殊な才能や創造性を持つ人材を探し出し、ベクトルの明確な育成を行っていくか。すべての大学生が創造性を備えているわけではない」

 有馬氏によると、進学率上昇後、大学の人材選抜の基準が緩くなり、学生の平均水準が低下した。「すでに日本の大学進学率は60%に達した」。韓国統計庁が2010年に発表した報告書によると、韓国の入学率は男子が77.6%、女子80.5%。同じく「トップレベル人材の発掘難」に直面している。「中国にこの問題を予見してほしい」と有馬氏。

 では、日本に誘致された中国人留学生は、日本の最先端の科学技術や相応の管理理念を学ぶことはできるのか?中村理事長は一眼レフカメラのレンズを例に挙げ、「日本企業を支えているのは熟練した生産工程と低コストの生産技術。これらは蓄積が必要で、どんな企業や人材であっても、その業界に入ったからといってすぐに身に付けられるものではない」と説明。はるかに先を行く日本の精密加工技術や製造技術を学ぶことは、在日留学生にとってそれほど「容易」ではないという。

 もっとも、企業の先進的な科学技術イノベーション環境や大学の「より真剣で開放的」な研究ムードのほか、基礎教育も日本留学を選択するメリットの一つだ。有馬氏の言葉を借りれば、「実践力」が鍛えられるという。

 有馬氏は最後に、「現在1万人以上の日本人学生が中国で留学しているが、より多くの日本人が中国に留学してほしい」「中国の歴史は悠久で、文化の薫りが高く、現在は科学技術の発展も速い。日本人学生はいっそう中国人に学ぶべき」と締めくくった。(編集HT)

 「人民網日本語版」2013年3月21日

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