カナダ紙、中国人留学生殺害の犯人を「今年の人物」に
【中日対訳】 世界中を震撼させたカナダの殺人鬼、バラバラ殺人犯のルカ・マグノッタはこのほど、カナダの通信社「カナディアン・プレス」から2012年度の人物に選出され、強い反発を招いた。マグノッタは今年5月、中国人留学生の林俊さんを殺害し、遺体を切断後、4本の手足をカナダ各地に郵送した。一部からは、「このような選出結果は病的であり、犯罪を奨励し、マグノッタの望み通り彼をさらに有名にするだけだ」という批判の声があがっている。環球時報が伝えた。
カナディアン・プレスの「今年の人物」は、全国100社以上のマスメディアの編集室の選出結果により導き出される。問題人物のマグノッタが選ばれたことについて、スコット・ホワイト編集長は、「今年の人物は、同年の最もホットな話題を反映するが、必ずしも愉快な話題になるとは限らない。当社役員の間でも、この結果について反発の声があがっていた」と説明した。今年の人物の2位はバンクーバーでネット詐欺にあい自殺した女子生徒、第3位は北米のNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)の会長となった。
カナダ紙「レスブリッジ・ヘラルド」の編集長は12月24日、マグノッタに票を投じたことを認め、「マグノッタは今年注目度が最も高かったカナダの人物である。報道の現実とはかくも残酷で、悪名高い人物の方が徳望が高い人物よりも注目を集めやすい」と語った。カナディアン・プレスの今年の人物は1946年以来、プラスの影響を与える人物が多く選ばれてきたが、マイナス影響を与える人物が選出されることもあった(2人の女性兵士を殺害した空軍将校、モントリオール理工科大学で14人の女性を殺害したクリフォードオルソン、マルク・レピーヌ等)。
「モントリオール・ガゼット」は24日、カナディアン・プレスの選出結果は社会からの猛烈な反発を招いたと指摘した。カナディアン・プレスには多くの抗議文が届いている。多くの人は、選出結果は奇形かつ不公正であり、被害者に対する深刻な侮辱だとした。また一部の人は、メディアの病的な煽りは問題の一部分だとした。ウェスタンオンタリオ大学の助教授は、「このような暴力的な犯罪者を今年の人物に選出することで、これを真似しようとする危険人物が出現する恐れがある」と述べた。
多くの政治家も、カナディアン・プレスの選出結果に不満を表明している。カナダ自由党の議員は、「これは恐るべき選択だ」と語った。カナダの内閣官房長官は、「カナディアン・プレスは公共機関として、グーグルの検索結果と同じように無価値、かつ病的な好奇心に媚びるべきではない」と指摘した。「トロント・スター」はコラムニストの言葉を引用し、「今年の人物の選出は、ある手段により社会の普遍的な印象を総括するべきであり、注目度だけで選出するべきではない」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月26日