2012年11月14日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:10:19 Nov 14 2012

「道徳心の欠如」を許さない時代の加藤嘉一考 (2)

 もう一つの反応は、「沈黙」だった。これは、主に、「正確さ」を自負したメディアや社会の知識界が取った態度だ。「沈黙」の理由は、「事件」自体が、彼らの口を出す範疇から外れていることによる。正確で鋭い視点を持ち、コラムやその他の分野で才能を大いに発揮している日本の若者が、どうして「経歴詐称」という浅はかな行動を取ったのか、その理由は、彼らにとっても理解し難いようだ。

 成功や称賛という光のもとには、かならず見えない「陰謀」がある。では、加藤氏の一件の背後で糸を引いていた人物は、一体誰なのか?騒動があり、結末があった後に、ようやくそれは動き出す。地位も名誉も失った後の加藤氏に関する記事を、あるメディアが報じた。その中で、加藤氏の背後で糸を引いていた存在として、彼にコラムを書かせたメディアや編集者などバックアップしていた人々、ひいてはブログのフォロワーや彼女までが取り上げられた。彼らは、加藤氏のせいで「顔に泥を塗られ」、道徳的な負い目を感じることになった。

 ここで、これまでの加藤氏の疑惑に関するさまざまな手掛かりを探ってみよう。彼のはっきりしないあいまいさ、日和見的態度、したたかさ、さらには努力や勤勉さに至るまで、全てが、「成功」という覆いに隠されたシンボルだと解釈できる。彼の言論は、嘘と不道徳にまみれて一文の価値もない。特に、「中国の高速鉄道が、日本の新幹線より危険だとは必ずしも言えない」などといった明確な根拠を伴わない彼の文章は、決して表向きにはできない企みの存在を暗示している。それは日本人という立場を利用し、政治的要人の歓心を買い、それを利用して未来への道を切り開く、という企みだ。彼の擁護派である中国人知識層も、今となっては彼との関係を清算する必要に迫られている。加藤氏は確かに問題がある人物だが、敢えてそれを声高く指摘する人はいない。彼の行為は正しいとはいえず、嘘をついたが、それでも、勤勉で才能のなる若者である事実には変わりがない。彼の視点には捉えどころがないように見えるが、実際のところ、真実の中国の現状の複雑さが、彼の理解をより複雑にしているのだ。

 「道徳心の欠如」を許さない風潮の現代中国社会では、このような主張をする人はいないだろう。何から何まで全てを白黒に分け、立場を明らかにしなければならない。「清く正しく美しい」立派なものは全て一緒に集められ、そうではないものは全て敵とされる。立派ではない加藤氏、低俗軽薄に徹する者、下心を持って人を騙すペテン師は、全て一緒に葬られ、それ以外の運命は残されていない。(編集KM)

 「人民網日本語版」2012年11月14日

事件:加藤嘉一氏、「東大合格はウソ」

北京大の立場:加藤嘉一氏の経歴詐称 北京大学「卒業資格には影響しない」

評論:加藤嘉一氏はなぜ中国で学歴を詐称したのか


[1] [2]




理工系男子学生が「女子学生祭」を自主開催

日本人万里の長城遭難 救助時の写真が公開

革命聖地を昨年訪れた観光客、延べ5.4億人 中国

メコン川中国人13人射殺された事件、昆明で一審判決

中国の美人女優范冰冰、長江商学院EMBAコースに入学か

日本の「走って逃げる大根」がネットで話題に

孔子の子孫とイタリアの画家が国際結婚 挙式は中国式

北京八達嶺高速道路 大雪で2千人が身動き取れず

加藤嘉一氏、「東大合格はウソ」と謝罪

印刷版|コピー|お気に入りに登録
  • 分かち合うへrenren.com
  • 分かち合うへt.qq.com
みんなの感想

名前

コメントを書く コメント数:0

   

最新コメント
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古