中国のネット上で西遊記の逆さ読みが人気に
中国のあるネットユーザーは8日、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」に西遊記を逆さ読みした文を投稿。数日の間に、2万回以上転送され、4800件のリツイートが寄せられるなど、思いがけない人気を呼んでいる。さらに、西遊記と共に「中国四大名著」と呼ばれる、「紅楼夢」や「三国志演義」、さらに11月21日に中国で封切りとなった人気3D冒険映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」などのストーリーの逆さ読みがネット上で話題に。ネット上では「今日、逆さ読みした?」というフレーズが人気になり、「逆さ読み体」ブームが巻き起こっている。湖北省武漢市の朝刊「武漢晨報」が報じた。
【西遊記の逆さ読み】
釈迦・如来に布教に派遣された弟子4人は、旅の途中でさまざまな苦難に遭った。そして妖怪達には黒幕がいることに気づいたため、沙悟浄(さごじょう)は流沙河に潜った。猪八戒(ちょはっかい)は高老庄の中に隠れ、残った孫悟空は三蔵法師の元に送られた。孫悟空をうとましく感じた「天庭」(てんてい、天上の朝廷)は如来と話し合った結果、三蔵法師の無事を条件として、悟空を始末することに。悟空は五指山に閉じ込められ、三蔵法師は死ぬまで長安で布教を行った。五百年後、悟空は五指山から飛び出して、黙り込んだかと思うと天庭をかき乱し、石に変わってしまった。
各ストーリーの逆さ読みを見たネットユーザーからは、「結末に重みがある」、「結末が奥深い」などの声が寄せられている。
「逆さ読み」ブームに関して、武漢市の栄格カウンセリングセンターの黄進軍・首席カウンセラーは「ネットユーザーらのストレス解消の一つで、常識とは逆のことをしたいという心理」と分析。「伝統的な価値観と多元化された価値観に衝突が生じた際、ネットユーザーらは往々にして『逆さ読み』という方法を通して、元々の型にはまった形式を突き破ろうとする。インターネットが継続して発展していることを背景に、このような表現スタイルがますます増加するだろう」との見方を示した。
一方、湖北省社会科学院の秦尊文・副院長は「古典を面白おかしく扱う『逆さ読み』がミニブログ上に出現したからといって、それが人々のこれまでの古典に対する見方を変えるというわけではない。悪い影響がない限り、このような表現方法に特に問題はない」と肯定的な態度を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月12日