「中国式道路横断」の処罰厳格化から20日、その効果は?
浙江省公安庁はこのほど、重大な交通ルール違反行為8項目に対する処罰の厳格化を今月1日から実施して以来、全省で処罰の対象となった違反行為は約11万件に上り、うち「中国式道路横断」と呼ばれる信号無視は8232件だったと発表した。北京晨報が伝えた。
浙江省は、「都市交通の渋滞緩和」を「2013年市民のための公益事業」の最優先課題に据え、歩行者の信号無視・飲酒運転・違法駐車など交通秩序を乱す違反行為8項目を、課題解決に向けた取り締り強化ターゲット第一弾に定めた。省公安庁は3月1日から、「2013年第一弾」として8項目の違反行為に対する処罰厳格化を省内で一斉に実施している。
今回の処罰厳格化のうち、最大の論議の的となったのは、「自転車の信号無視」および「横断歩道以外の場所での歩行者の道路横断」の2点だった。省公安庁の21日付通達によると、処罰厳格化が実施されてから20日経過した時点で、「自転車の信号無視」による処罰は8283件、「横断歩道以外の場所での歩行者の道路横断」による処罰は1622件に、それぞれ達した。
昨年から「赤信号、みんなで渡れば怖くない」あるいは「赤信号・青信号おかまいなし」という「中国式道路横断」をめぐり、世論で熱い議論が交わされているが、それをいかに取り締まるかについては、各大都市が頭を抱える難問となっている。浙江省は今回、「交通警察官の目の前で、歩行者が信号を無視して道路を横断した、あるいは横断歩道のない場所で道路を横断した場合、5元から20元(約76円から306円)の罰金を科す」という規定を設け、大量の警察官を投入し取り締りに当たった。その範囲の大きさと処罰の厳しさは、全国でも類を見ない。
厳しい管理監督のもとで、多くの歩行者が規則を守り始めた。だが、一部の歩行者は、不満を示している。なかには、違反して処罰対象となった歩行者が、交通警察官に暴力をふるう、あるいは警察官を罵る事件まで起こり、行政拘留処分となった人もいる。
専門家は、「このようなやり方は、確かに最初は効果的であろう。しかし、その効果が続くかどうか、膨大な数の歩行者を取り締まるのに十分な数の警察官を交通警察が擁しているのかどうか、歩行者がこれまでの習慣を変えよういう自覚や意志をもっているかどうか、といったさまざまな問題が、今後解決すべき課題として残されている」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月22日