中国の信号無視が深刻 専門家が対策を提案
「信号と関係なく、十分な人数が集まれば道路を渡る」という「中国式道路横断」により、交通事故が多発している。江蘇省では今年、信号無視により死傷者が出た交通事故が288件に達し、90人が死亡した。人民日報が伝えた。
死亡事故のうち、90%以上は避けられる事故だ。歩行者・自転車・バイクに信号を守らせるため、江蘇省の交通管理部門は近年、さまざまな取り組みを行なっている。
南京は2006年に、公務員・軍人・教員等の交通違反者を処罰すると同時に、勤務先に違法行為を報告すると発表した。しかし同規定の実施について、南京市公安局交通警察支隊二大隊の葛川平・副大隊長は、「信号無視をした一部の人は、氏名や勤務先を偽るか、無職だと称する」と問題点を指摘した。
南京は2008年8月上旬に新たな対策を講じた。歩行者が信号無視をし、罰金の支払いや勤務先への報告を拒んだ場合、ボランティアの交通指導員として交差点に30分間立たせ、交通警察の交通秩序維持を手伝わせようというのだ。南京市公安局交通警察支隊三大隊の銭春龍・副大隊長は、「これも実施は困難だ。歩行者がこれに応じなかった場合も、人身の自由を制限することはできない」と語った。
今日に至るまで、交通管理部門の信号無視に対する通常の措置は、依然として「罰金」だ。自転車・バイクの場合は50元、歩行者の場合は20元の罰金が課される。銭氏は、「罰金も徹底が難しく、支払いを拒否される場合が多い」と溜息をついた。
また信号無視をした人の情報公開も、よく用いられている措置だ。