タクシー配車アプリ、運転手への「チップ」機能が物議 武漢
4月以降、武漢に2種類のタクシー配車アプリが登場したが、「自発的に追加料金を払えば、タクシーをつかまえやすくなる」という機能が物議を呼んだ。その後、市主管部門が「タクシー配車アプリの追加料金機能を許可しない」との態度を明確に示したが、「追加料金」機能は「チップ」機能に名を変えただけで、依然として運転手が別途料金を受け取れる形式が続いている。長江日報が報じた。
○「チップ」最高額は50元
タクシー配車アプリが武漢に登場してからまだ日は浅いが、武漢はすでに、北京と上海に続き、全国で3番目にタクシー配車アプリが多く使用される都市となった。「ブーブー打車」というアプリだけでも、ユーザ数は運転手が1万人、市民が14万人をそれぞれ上回っている。しかし一方で、タクシー配車アプリについている追加料金機能は、これまでずっと論争の的となっていた。
4日、2種類のタクシー配車アプリ「ブーブー打車」と「快的打車」には、「追加料金」機能はなくなっており、代わって「チップ」システムが新たに登場していた。「ブーブー打車」の画面では、「チップを支払う」に0元、5元(約81円)、10元(約162円)、20元(約324円)の各ボタンが設けられていた。「快的打車」では、「チップを支払う」の料金体系は5元だけだが、そのボタンを繰り返し押すことで、最高50元(約810円)までチップの額を増やすことができる。
○乗客:「形が変わっただけで中身は同じ」
漢口市に住む張さんは、タクシーを利用する際に、タクシー配車アプリをよく利用する。彼女は、「チップを支払う」という形式になっても、本質的にはもとの「追加料金」と変わらないと指摘した。タクシー運転手にとって、同じような条件のもとでは、追加報酬の額が多いほど魅力的であるのは当然のことだ。
とはいえ、運転手の立場から見ると、「追加料金」と「チップ」には違いがある。ある運転手は、「『追加料金』には、客と運転手との間に暗黙の了解があり、この機能を利用した客は車を降りる時に必ず追加料金を支払った。一方、『チップ』を選んだ場合は、乗客が選んだ額以上のチップを払う場合もあるし、反対に一切払わない場合もある。運転手は強要することができない」と語った。
「ブーブー打車」アプリの開発企業は、「運転手を対象とした新しい政策がすでに発表された。乗客が『チップを支払う』を選択したにもかかわらず、下車時に意図的あるいは無自覚に運転手にチップを支払わなかった場合、運転手は客にチップを強要することはできない。その代わり、運転手はアプリの管理者に報告し、担当者が事実確認を行った後、運転手に同等額の補償金を支払う流れとなっている。現時点で、こうしたケースに関する紛糾は起こっていない」と話した
○「追加料金でタクシーをつかまえる」乗客率は約10%
「ブーブー打車」アプリの開発企業は、「追加料金システムはもともと、空港や駅に向かう人や辺鄙な地域からタクシーを拾う人に便宜を図り、運転手のモチベーションを上げる目的で構築された。だが、むやみな料金徴収や現行管理規定に違反するという懸念から、タクシー配車アプリはシステム改定を余儀なくされ、チップ方式に変更された」と説明した。武漢では現在、追加料金支払いによってタクシー配車を申し込む乗客の割合は10%前後。「ブーブー打車」アプリの開発企業によると、この割合は、北京では15%以上という。
運転手の汪さんは、早くからタクシー配車アプリに登録している。彼は、「僻地に住んでいる人、早朝飛行機や列車に乗らなければならない人、通勤でタクシーを利用する人という3タイプの乗客が、最も頻繁に追加料金を選んでいる。しかし実際のところ、運転手は追加料金をそれほど重視している訳ではない。ルートが悪く、混みあう道ならば、わずか5元や10元の追加料金で出向いても、全く割に合わない」と指摘した。
「ブーブー打車」アプリの開発企業は、「タクシー配車アプリの今後の持続的かつ健全な発展のために、『チップを支払う』機能を今後取り消すことを検討している」と語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月5日