中国・毒ギョーザ事件、被告が罪を認めるも工場は倒産
2007年12月から08年1月の間に、河北省の「天洋食品」が生産した冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫の3家族、計10人が中毒症状を起こし、うち子供1人が一時重体になった事件の初公判が30日、同省石家庄市中級人民法院(裁判所)で行われた。農薬に使用されるメタミドボスやジクロボスをギョーザに混入させた罪で起訴された呂月庭被告(39)が法廷で、事件に関する詳細を証言するにつれ、事件の全体像がはっきり見えてきた。人民日報が報じた。
中日で計14人が中毒症状
当時、同社が生産したギョーザを食べた日本人が、相次いで嘔吐や下痢などの中毒症状を訴えたことが日本メディアで報じられると、中国政府も高い注目を示した。中国質量監督検験検疫総局はすぐに専門家調査グループを立ち上げ、河北省の出入境検験検疫局に対し、同社に残されている商品や原料、補助材料などを検査するよう指示した。
08年1月31日には、調査グループが石家庄市にある「天洋食品」を訪れ、実地調査を行った。「天洋食品」の工場は、生産停止と全ての商品の回収を命じられ、その後、中日双方が一連の調査を展開した。中国側は、同局や商務部で構成される調査グループを日本に派遣し、日本側と協議を行った。日本側も内閣府や厚生労働省、農林水産省、外務省の官僚で構成された調査チームを「天洋食品」の工場に派遣し、実地調査を実施した。
その後、同省承徳市でも同社が生産したギョーザを食べた4人が中毒症状を訴える事件が発生。中国政府は、特別処理グループを立ち上げ、大量の警官を投じて犯人検挙に向けた捜査を展開した。そして、事件発覚から2年後の2010年3月、河北省警察は同社の元従業員・呂月庭容疑者の拘束を発表した。