中国、来年初目より「単独二胎」政策が試行か
ここ数年、取り上げられながらも、実施には至っていなかった「単独二胎」政策(夫婦のどちらかが一人っ子である場合、子供を二人産むことができる政策)が順調にいけば今年の年末にも試行されるという。また、2015年以降に、計画出産政策を全面的に二人っ子政策に移行する政策も検討されているという。中国衛生・計画生育委員会に近い関係者が明らかにした。 斉魯晩報が伝えた。
中国人民大学社会・人口学院の◆(=羽のしたに隹)振武・院長は、「確かに『単独二胎』政策をめぐる話し合いが行われているが、具体的な実施方案はまだ確定していない」とし、「省ごとに時期を検討したり、時期をずらしたりして実施される可能性が大きい」との見方を示した。
一方、中国衛生・計画生育委員会の報道官で、宣伝司の毛群安・司長は、「発表できる情報は今のところない」と明言を避けた。
「単独二胎」を段階的に実施か
中国政府関係の研究機構は2007年より、同委員会の委託を受け、計画出産政策のさらなる整備を目指し、調査、研究を展開している。そして、2010年1月6日に、同委員会が発表した「国家人口発展『第12次五カ年計画(2011-15)』計画」(ヒアリング調査原稿)には、「夫婦のどちらかが一人っ子である家庭は子供を二人産める政策の試行に向けた業務を確実に展開しなければならない」と言及している。
「単独二胎」政策の実施をめぐり、当時は中国人口学会の副会長でもある◆院長が率いるチームが制定した▽2011年より、まず中国の東北地区や浙江省などで試行する▽次に北京や上海などで実施する▽最後に2015年までに、中国全土で全面的に実施する---という、3段階にわたる実施法になるのではないかというのが大方の見方だった。
中国では1979年に計画出産政策が施行され、1980年代からは、厳格に施行されるようになった。しかし、これまでにも、夫婦共に一人っ子である場合や一部の少数民族の二人目の出産を認める「双独二胎」政策や一部の省の農村地域を対象にした一人目が女の子だった場合にのみ二人目を産める「一孩半」政策など、若干の調整も加えられてきた。
同委員会の過去の資料によると、2011年以前、計画出産政策のカバー率は中国大陸部の総人口の35.4%を占め、「一孩半」 政策のカバー率は53.6%となった。また、一方、「双独二胎」のカバー率は9.7%で、主に西蔵(チベット)自治区や新疆維吾爾(ウイグル)自治区などの遊牧民を対象にした、子供を3人産むことができる政策は1.3%だ。