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日本には頻繁に一線を越える権利はない

 日本の麻生太郎副総理は先日、ドイツのナチスの手法をまねて憲法改正手続きを推し進めることを公然と主張した。政府要人である麻生氏のこうした発言は、日本国民の権利を踏みにじるものであると同時に、世界反ファシズム戦争の勝利の成果に対する公然たる否定であり、戦後国際秩序に対する挑発である。麻生氏本人がこの発言を撤回しようがしまいが、人類公認の正しい道理と良識に対する衝撃を打ち消すことは難しく、さらに右傾化する日本に対する世界の人々の警戒も和らぐことはない。(人民日報鍾声国際論評※)

 麻生氏の「ナチス式憲法改正」発言は事実上、戦後体制変更への安倍政権の衝動の反映であり、反平和、反アジア、反共同発展の政治動向の現われである。安倍氏が首相に就任して以来、日本では右傾ナショナリズム思想傾向が強まり、復古拡張、再武装の反動的潮流が勢いづき、政界の要人による歴史を否定し、侵略を美化し、人権を踏みにじる発言が相次ぎ、日本社会全体も一段と右傾化が進行している。

 日本右翼からすると、平和憲法は押しつけられた憲政体制であり、軍事的手段の対外行使を制約する政治的足かせであり、アジア秩序を再度主導し、国際権力の中心的地位を追い求めるうえでの制度的障害だ。世界金融危機以降、世界経済の成長構造には巨大な変化が生じ、国際政治秩序もある程度揺れ動いている。日本右翼勢力は焦燥感を募らせ、平和憲法の打破によって活路を見いだすことを急ぐと同時に、情勢判断を過ち、「天に駆け上り世に出る」絶好の機会を天から与えられたと思いこんでいる。

 憲法改正の要は第9条を改正して、戦後体制を徹底的に変更し、軍事力を外交手段にできない「足を引きずる」状態を変更し、日本主導のアジア秩序を再建することにある。安倍氏はかつて一度「憲法改正について議論する」時代を切り開き、平和憲法を変えるための世論の準備をすることを主張した。今回の麻生氏の「ナチス式憲法改正」は、民衆の意向さえ聞くに値せずとするもので、まさに極みに達したといえる。狂気じみた言葉の背後にあるのは守るべき一線の喪失と陰気な心理である。

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