中国海警の顔に泥を塗り共感を得ようとする日比両国
7月22日、中国海警局が正式に発足した。これと前後して、中国語と英語で「中国海警」と記した中国海警船が南沙(英語名・スプラトリー)諸島海域と釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域に相次いで進入し、任務を遂行した。これは中国の海洋権益維持目的の法執行が新たな段階に入ったものとして、外部から幅広く注目された。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究所特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
日本メディアは中国海警局の発足について「釣魚島周辺の海洋活動の強化が目的」と指摘したり、中国海警局の活動について「新たな日中摩擦をもたらしかねない」と推測したり、「これによって日中対立は異なる段階に入る」と主張したりした。日本政府は中国海警船の釣魚島海域進入について「抗議」までした。
フィリピンメディアは中国海警船による南中国海巡航に対するフィリピン政府の反応を報道した。フィリピン政府の報告は、中国は海警船の同海域での展開によって「南中国海の主権維持を強化する決意を一段と顕示した」と指摘。「軍事力の弱い」フィリピンが南中国海の領有権を主張するうえで海警船は試練であり、フィリピンは潜在的な「外的脅威」に対処するため、最低限の確かな抑止力を追求する必要があるとした。
中国海警局の発足とその初の登場に対して日本とフィリピンがやや大騒ぎしているのは明らかだ。これは中国の海洋権益維持目的の法執行の強化が中国と海洋係争を抱える国々の神経に触れるものであることを別の側面から物語るものでもある。海洋権益維持目的の法執行部隊の整理統合と発展に伴い、中国が海洋権益を主張する300万平方キロ余りの海域に中国海警部隊の出現する頻度は大幅に高まり、法執行の効率はある程度高まり、権益維持の手段は一段と多様化する。だがこれらはいずれも中国海警の正常な合法的活動であり、日本やフィリピンは最初は一時的に受け入れられないかもしれないが、遅かれ早かれ慣れなければならない。