中国、若者の75.1%「容貌は個人の競争力と関連性ある」
芸能界では、美容整形やプチ整形は決して珍しいことではなかった。しかし今、進学や就職など新たなステップを踏む前に、美容整形を受けるという高校生や大学生が増加している。中国メディアの報道によると、最近、多くの地域で美容外科の人気を支えているのは学生だ。中国青年報が報じた。
中国青年報社会調査センターはこのほど、調査サイト「民意中国網」やポータルサイト「搜狐網」を通じて、1万7702人を対象に調査を実施。回答者の53.9%が、周囲に美容整形をしたことがある若者が「いる」と答えた。回答者は、90年代生まれの若者が39.4%、80年代生まれの若者が46.2%だった。
6割「見た目で人を判断する社会の価値観の影響」
では、若者の間で美容整形がブームになっているのはなぜなのだろう?同調査では、回答者の59.7%が「見た目で人を判断する社会の価値観の影響」、38.0%が「美容整形をすると、イメージアップでき、個人の競争力を向上できる」、22.5%が「外見のイメージを改善することで、もっといい恋人を探すため」、21.0%が「人々の考え方が一層開放的になっているから」、11.7%が「顔に傷があるか、生まれつきの欠陥があるから」、7.6%が、「至る所で目にする美容整形の広告の影響」との見方を示した。
東南大学(江蘇省)医学人文学部の何倫教授は、「若者の間で美容整形がブームになっている背景には、現代社会の『美への覚醒』がある」と指摘。「美の追求というのは人の本性で、誰でも美を追求できる権利を持っているというのは社会の進歩とも言えるが、別の観点から見ると、外見に過度に注目する傾向も、容貌への偏見につながっている」との見方を示す。
何教授はさらに、「今の若者の間に見られる美容整形ブームには、非常に多くの商業的行為が存在し、商業化された雰囲気が人々をさらに盲目的に美を追求するよう誤導している」と警笛を鳴らした。
専門家「若者は内面の美を磨くべき」
現在の社会で、多くの人は個人の競争力を容貌と結びつけて考えているようだ。同調査では、回答者の75.1%が「現代社会において、容貌と個人の競争力は必然的な関連性がある」との見方を示した。
北京師範大学の朱紅文教授は、「個人という観点から見ると、適度な身繕いは、社会の理解と尊重を受けるに値する。ただ、自分のことを高く評価し、自信を見に付けることも覚えなければならない。中国人には、中国人らしい外見の特徴があり、ほかの民族と同じような外見にならなければならないと考える必要はない。これは、中国の民族文化に対する自信という問題にもつながってくる」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年8月8日