上海:伝統的な読書が依然盛ん 電子書籍は無料版が人気
電子書籍による読書が、上海市民の間で一般的になりつつあるが、伝統的な読書を好む人の割合も、以前より低下している訳ではない。新聞晨報が伝えた。
上海市新聞出版局は7日、「上海市民読書状況調査分析(2013年)」を発表した。これによると、上海市民の読書形式の中で最も多かったのは、依然「伝統的な紙による読書」で、「電子端末を利用した読書」より13.85ポイント高かった。しかし、両者の差は、昨年より縮まっている。
また、「オンライン読書」と「伝統的な紙による読書」、それぞれに費やす時間配分については、「紙による読書のほうが多い」が41.10%で「オンライン読書のほうが多い」が41.06%と、ほとんど差がなく、いずれも昨年の数値とほぼ同じだった。
○ほとんどの上海市民、「毎日30分の読書習慣」あり
7日に発表された同報告は、上海市が3年前から市民の読書状況に的を絞って調査・分析を行い、その結果を取りまとめた権威ある年度報告書だ。
読書に費やす時間に関しては、上海市民の大部分は、「毎日30分は読書する」習慣がある。「15分から30分」および「30分から1時間」が、上海市民が毎日読書に費やす時間であることが、調査の結果明らかになった。
○「伝統的な紙による読書」がますます盛んに
読書形式については、スマートフォン、タブレットPCや電子書籍リーダーなどのデジタル読書用機器が急速に普及しているものの、「伝統的な紙による読書」を好む上海市民はますます増えている。
上海市民の読書形式でトップに立ったのは「伝統的な紙による読書」で、「デジタル機器による読書」を第一選択肢として選んだ人の割合より13.85ポイント高かった。
このほか、多くの上海市民が、年間1冊から3冊の書籍を読んでいることが、調査から明らかになった。「紙の書籍(定期刊行物・教科書を含まない)を1年間に何冊読みますか」との問いに対し、上海市民の40.1%は、「1冊から3冊」と答え、「4冊から6冊」とした人は19.3%だった。
また、「読書はほとんどしない」という市民のうち、「年齢16歳から40歳の出稼ぎ就労者」「無職、あるいは失業者」「商業・サービス業従事者」「一般職員、事務員、秘書」が約1割を占めた。この結果から、社会全体の読書ムードをより高めていくことが、新たな課題のひとつであることが明らかになった。
○あまねく「ローコスト読書」を選ぶ傾向
読書コストの面で見ると、「紙による読書」であれ「デジタル読書」であれ、上海市民は、少しでも経費の低い読書方式を選ぶ傾向にある。
年に出版物に費やす出費が「51元から100元(約800円から1580円)」とした人の割合は22.39%、「101元から200元(約1600円から3160円)」は17.22%、「20元(約316円)以下」は16.06%だった。また、昨年の「書籍の購入頻度」については、「1年以上に1回」と「1度も買っていない」人の割合が、計14.15%に達した。
デジタル読書の方式について、上海市民が最も多く利用しているのは、「携帯電話」「インターネット」「iPad/タブレットPC」だった。このうち、昨年第2位だった「携帯電話による読書」が今年トップに立ち、38.55%を占めた。「インターネットによるオンライン読書」も27.45%に達した。両者の選択率がこれほど高い背景には、低い読書コストという理由がある。
また、デジタル読書に費やす費用に関する調査では、「無料版の読書のみ」と答えた人が63.01%に上り、最も多かった。有料版を利用するユーザは40%にも満たず、デジタル読書の課金問題は、まだまだ解決されていない。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月8日