さぐり合いの中日韓FTA交渉 第2回会合始まる (3)
宋主任によると、中国の立場で考えれば、中日韓FTAを推進する希望や意思はあるが、今の3カ国の外交ムードは交渉にはふさわしくない。中日韓FTAにおける経済的要因を考えなければならないが、戦略面や安全保障面を考えることも重要だ。よって、中国・韓国間の自由貿易協定プロセスが中日韓FTAの歩みに先行する可能性があるという。
また宋主任によると、日本についていえば、TPPが中日韓FTAに先んじる傾向が顕著で、TPP交渉参加により日本の中日韓FTA交渉への意欲が大幅に後退する可能性がある。とはいえ、日本は「二足のわらじ」戦略を堅持し、TPPからは安全保障面と戦略面でのメリットを得て日米同盟を強固にし、中日韓FTAからは経済的メリットを得ることを目指すとみられるという。
中国社会科学院日本研究所経済研究室の張季風研究員によると、日本は今後、多方面にはたらきかけ、それぞれを比較の対象とし、相互に促進し合う道を選ぶ可能性が高い。たとえば中日韓FTA交渉ではTPPを比較の対象として条件を話し合い、TPP交渉では中日韓FTAを比較の対象として条件を話し合うとみられる。こうなると、日本が具体的な条項をめぐって譲歩することはかなり難しくなるという。
韓国はすでに欧州や米国と自由貿易協定を結び、中国や日本とのFTA締結を積極的に推し進めてきた。蔡院長によると、中韓FTAが成功すれば、中日韓FTAにとっても成功の土台が形作られることになるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月30日