文化の違いに苦しむ外国人力士
中国メディアが見る日本 中国籍力士・蒼国来は先週末、大相撲名古屋場所を6勝9敗で無事終え、注目を集めた。「日刊スポーツ」などのメディアは、蒼国来は八百長の疑惑があり、相撲協会を解雇され、取組できなくなっていたと報じた。2年半にわたり蒼国来は訴訟をつづけ、ついに潔白が証明され、土俵に戻ることができた。蒼国来の境遇は人々に、日本の相撲界で精進する外国人力士をふたたび思い起こさせた。「環球時報」が伝えた。
外国人にとって、相撲の技を一流に磨くだけでも至極大変なことであり、文化の違いはプレッシャーを倍増させる。朝青龍は最も名をはせたモンゴル人力士だった。長年の努力の結晶として相撲界最高地位の横綱に上り詰めた。しかし同時に日本の角界の無数のしきたりが重くのし掛かり、批判を浴びることもあった。奔放豪快な性格の朝青龍は4年前、取組後の優勝でガッツポーズを出したことが横綱審議委員会から「不謹慎、品格に問題がある」と問題視された。その後朝青龍は日本角界と摩擦がつづき、2010年の飲酒後暴力事件をきっかけに、相撲界から追放された。
朝青龍以外にも、日本相撲界で稽古に励む外国人力士は多い。力士を夢見る日本の若者が少なくなりつつあるのが主たる理由だ。日本相撲協会の統計では、現在角界で活躍する外国人力士は11カ国から来日している。モンゴル人が最多で28人。中国人は3人。ロシア、チェコ、ブルガリア、ハンガリーなどの力士もいる。
関取を目指すには収入のない下積みを経た後、力士として取組で賞金を受け取るようになる。成功者にはハワイ出身の小錦らがいる。角界の稽古は厳しく、成功できなければ、悲壮な人生となる可能性もある。しかし賭に出る外国人は後を絶たない。日本の相撲界が積極的に人材発掘をしているほか、昇進後の手厚い待遇も魅了する理由のひとつだ。横綱の月給は約300万円、大関は約220万円、関取として最低の十両でも100万円ほどある。関取に昇進できなければ、わずかな生活費しか得ることはできない。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年7月26日