日本経済が失速 現れ始めたリスクの兆し (3)
安倍政権の眼前に横たわる最も切迫した問題は、2014年4月に消費税率を現在の5%から8%に引き上げるかどうかということだ。増税すれば政府の税収は増えるが、個人消費が冷え込み、回復し始めた経済にもマイナスに作用することになる。日本経済研究センターの予測によると、今年度のGDP成長率は3-4%を維持するが、増税を実施すれば14年第2四半期はマイナス5.1%になるという。
日本政府が今月上旬に発表した中期財政計画によると、15年までに国と地方の基礎的財政収支(PB)の赤字幅を半減させ、2年で8兆円の赤字を削減する。これと同時に新規国債発行額を年43兆円以下に抑えるという。
日本紙「読売新聞」の指摘によると、中期財政計画の実現の前提は名目成長率3%、実質成長率2%の達成だ。この急速な成長率を達成できなければ、税収を増やすことは不可能で、政府債務は増え続ける。国債が投げ売りされれば、国債を保有する日本の金融機関の財務状況が悪化し、さまざまな副作用をもたらすことになるという。
張首席研究員によると、安倍内閣は現在、2つの難しい選択肢を突きつけられている。予定通りに消費税率を引き上げれば、個人消費が一定期間に急激に減少し、やっと糸口を見つけた経済復興が「夭折」する可能性がある。消費税率を引き上げなければ、日本市場は国際社会の信用を失い、格付け機関は日本の長期国債の格付けをすぐさま引き下げ、日本市場の威信は地に落ち、日本国内でも国際社会でも日本の財政改革への信頼が失われ、壊滅的な結果を招くことになる。第2四半期のデータをみても、情勢は楽観できるものではなく、安倍政権が最終的にどのような選択をするかはますます難しくなっている。
▽産業のグレードアップが期待する構造改革