鳥取砂丘 自然遺産開発の知恵が凝縮 (3)
名古屋大学の学生サークル「ハックルベリー・フィン」は2007年、「馬の背」で「HUCK」と落書きし、ブログに掲載した。この巨大な落書きは幅50メートル、高さ15メートルに達し、自然景観を損ねた。本件は大波乱を呼び、日本メディアの集中砲火を浴びた。
鳥取県はその後、砂丘保護条例を制定した。砂丘上での落書き、砂の持ち帰り、ゴルフの練習、花火などを禁じ、違反者に5万円の罰金を科すとした。悪質な場合は自然保護法に基づき、6カ月以下の懲役刑もしくは50万円の罰金に処することが可能だ。
鳥取市は2006年より鳥取砂丘で砂漠彫刻イベントを実施している。有名砂漠彫刻家の茶圓勝彦氏が毎回一つのテーマを設け、全国の砂漠彫刻家による砂像の傑作を集めている。鳥取市は2012年4月に砂丘のそばに世界初の砂丘展示施設「砂の美術館」を建設した。開業時には、イギリスをテーマとする砂の彫刻作品が室内展示された。「砂の美術館」の現在の展示テーマは東南アジア文化で、カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥール、ミャンマー・ヤンゴンの金の塔、マラッカ海峡およびシンガポールなどの有名スポットが、砂の彫刻によって表現された。
砂漠彫刻イベントの他に、鳥取砂丘は毎年全日本サンドボード大会、たこあげフェスティバル、キャンドルナイトなどを実施している。砂丘は小規模だが、大規模な産業を形成している。そこからは現地政府の自然遺産に対する重視と、合理的な開発の知恵が見て取れる。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月11日