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顕在化し続ける世界金融危機の深いレベルの影響 (2)

世界経済のリバランスは長期的プロセス

 ■危機の後遺症で各国のマクロ管理は難しさを増す

 中国銀行戦略発展部副総経理、国際金融研究所副所長の宗良氏は「世界金融危機によって従来型の経済発展方式の欠陥が明らかになった。主要国は消費と借金に過度に依存しており、新興国と途上国の投資・輸出主導の経済成長モデルも持続不能だ。特に実体経済から逸れ、過度に仮想化した主要国の発展はなおさらに方向を誤っている。世界金融危機後、世界経済のリバランスを促すために多くの国々が様々な措置を講じたが、産業構造調整の長期性、短期的利益と長期的利益の衝突によって、世界経済のリバランスは必然的に長期的プロセスとなる。各国は内生的成長の原動力と制度づくりを加速し、持続可能な経済発展を実現する必要がある」と指摘した。

 宗氏はまた「世界金融危機を前に、米欧日は空前の規模の財政出動による景気刺激策と量的金融緩和政策を立て続けに打ち出した。これは世界金融危機による打撃を緩和する作用を果たしたが、深刻な副作用ももたらした。財政政策の不適切な運用によっていくつかの国では政府債務が高止まりし、違約リスクが高まり続けている。IMFの統計によると、2012年に先進国の政府債務総額の対GDP比は第二次大戦後最悪の110%にまで上昇した。財政政策に窮した結果、様々な形の量的緩和政策を打ち出すこととなり、その規模も日増しに拡大している。これによって金融市場の流動性は改善したが、世界の通貨総量の膨張も招き、インフレ予想と資産価格バブルのリスクを生じ、各国のマクロ管理の難しさを増し、将来の金融危機の火種を残しすらした」と述べた。

 ■国際経済の運営制度にはなお調整が必要

 李氏は「世界金融危機の形成メカニズムから見ると、現行の国際通貨制度、国際金融規制・監督制度、国際金融運営制度のいずれにも逃れられない責任がある。現在までにこうした体制、制度の改革は一定の進展を遂げたが、世界金融危機の後遺症を根本から解決するにはまだまだ不十分だ。世界経済の成長力不足を克服するには各国が自国の経済発展方式を改革すると同時に、国際経済の運営制度を調整する必要がある」と指摘した。

 宗氏は「世界金融危機の影響に対処するため、中国は相応の政策を打ち出し、世界経済発展の重要なエンジンとなり、危機の緩和に重要な役割を発揮した。だが世界の調整と変革を前に、中国はさらに自発的な調整を行う必要がある。世界金融危機は様々な経済発展モデルにはそれぞれ強みと不足点があり、特定の発展モデルをそのまま用いるのではだめで、中国の特色ある経済発展のモデル、制度設計、理論革新を堅持しなければならないことを明らかにした。中国は実体経済の発展と市場化改革の着実な推進という方向性を堅持し、国内経済構造のモデル転換を加速し、中国経済のアップグレード版を築くと同時に、国際経済・金融構造の変化に緊密に注目し、世界から来るリスクと試練に対処し、国際社会でさらに大きな役割を発揮し、世界経済のリバランスにしかるべき貢献を果たすべく努めるべきだ」と述べた。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年5月1日

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