四川地震、再建家屋も損壊 「耐震」は日本に学べ=中国紙
四川省雅安市蘆山県で20日、マグニチュード(M)7.0の地震が発生、甚大な被害がもたらされた。雅安市宝興県の県長によると、県内の全域で水と電気の供給がストップし、2008年の四川大地震後に再建された建物を含む家屋のほとんどが損壊したという。中国青年報が報じた。
四川大地震後に再建された建物を含む家屋のほとんどが損壊したという事実は、まことに心外だ。当時再建された建物は軒並み、「耐震8級・抗震設防烈度(耐震設計を行う際に基準とする地震烈度)9度」の基準をクリアした設計で施工されており、M8の地震に耐えられる構造となっている。高密度鉄筋コンクリート構造・コンクリート一体化技術が採用された建築方式で、施工業者はいずれも、建築施工1級資格を持っている。今回の蘆山地震はM7、地震烈度9度前後だった。常識で考えると、四川大地震後に再建された建物は、今回の地震で「ノアの方舟」となり、人々は「先見の明」である高基準にもとづき再建されたことを喜ぶはずだった。しかし、震央でもなかった宝興県で再建された建物は、地震に耐えることはできなかった。
建物が地震で壊れるかどうかの分かれ目は、必ずしも設計時の耐震基準・抗震設防烈度だけではない。設計時に予想された耐震強度と角度と実際に地震が起こった時の耐震強度と角度が一致するかどうかも、極めて重要な要素となる。担当者が再建時、「責任は泰山より重い。小さいことでも決していい加減にしない」と誓ったことを思い出す。「耐震8級・抗震設防烈度9度」基準で再建された建物のほとんどがM7の地震に耐えられなかったという現実を見れば、この言葉に疑いの眼を向けざるを得ない。