世界の投資銀行 中国への評価を次々上方修正
中国の8月の製造業や輸出入に関する一連の経済データが予想を超えて力強さを示したことから、ここ数週間の間に、英国のバークレイズ銀行、ドイツのドイツ銀行、スイスのクレディ・スイス銀行をはじめとする世界の多くの投資銀行が、中国への低評価を改め、中国経済の成長予測を相次ぎ上方修正している。ある専門家によると、輸出の回復と緩やかな成長を目指す政策とが相互に作用し合い、下半期の経済は安定して当初の目標を基本的に達成する見込みだ。だが国際的投資銀行の高評価は冷静に受け止め、成長のスピードばかりを無計画に追求することは避け、経済の安定的な発展を引き続き維持しなければならないという。人民日報海外版が伝えた。
▽3つの原因が高評価もたらす
先週、各種の積極的な経済データが発表されると、ドイツ銀行は22日、先陣を切って中国の経済成長率予測を引き上げ、下半期成長率をこれまでの7.6%から7.7%に上方修正した。クレディ・スイス銀行は26日に報告書を発表し、中国経済はすでに底を打ったとし、今年の成長率予測を7.4%から7.6%に改めた。
ある専門家によると、国際的投資銀行が中国への評価を改めた原因は主に3つあるという。
第一に、経済の安定回復傾向が世界の投資家にとって「カンフル剤」になった。ドイツ銀行の馬駿エコノミストによると、評価引き上げの根拠は7月以降の中国経済にみられた変化で、大口商品の価格上昇が需要をもたらしたこと、製造業が景気・不景気のボーダーラインまで盛り返し期待が高まったことなどが挙げられるという。また馬エコノミストは、来年の米国・欧州・日本の経済状況は今年よりも目立って回復し、中国の経済成長ペースも輸出の伸びによって今年を上回ると予測する。
米国のバンクオブアメリカ・メリルリンチ大中華エリアの陸挺チーフエコノミストによると、中国経済は引き続きチャンスと希望に溢れており、軟着陸を実現しつつあって、硬着陸のリスクはないという。米JPモルガン・チェースが8月に発表した中国信頼感指数報告書では、7月と8月の中国の信頼感指数は安定しており、8月の中国の経済活動は引き続き著しい上昇傾向を示す可能性があるとした。