輸入禁止のはずの「神戸牛」は密輸かニセ物
人民網の報道によると、牛肉の世界には日本の神戸牛にまつわる「伝説」がある。神戸牛は音楽を聴き、ビールを飲み、マッサージ機でマッサージされて育つというのだ。神戸牛の肉は脂肪がまだらに入った霜降りで、脂肪の量は多く、煮ても焼いてもおいしく、値段はとびきり高い。こうした特徴は「伝説」と関係がある 神戸牛は7-8切れが入った150グラム入り1パックが約500元で売られている。500グラムは1500元ほどだ。だがブラックユーモアのような話だが、中国では長年にわたり神戸牛は輸入されていない。中国中央テレビ局(CCTV)の「毎週質量報告」が20日に伝えたところによると、北京や上海などで「神戸牛」を出しているレストランは、国産牛肉を神戸牛と称して出しているか、検疫を通っていない安全面に問題がある密輸神戸牛を出しているか、どちらかだ。
日本の高級牛肉の産地は、牛海綿状脳症(BSE)の発生地でもあり、中国は国民の健康を守るため、2001年から日本産牛肉の輸入を全面的に禁止している。02年には当時の衛生部(衛生省)と国家質量監督検験検疫総局(質検総局)が「牛海綿状脳症の発生国・地域の牛・羊を含む製品の輸入と販売の禁止に関する通知」を出した。今でもまだ日本の牛肉と関連製品は輸入が禁止されており、主な輸入元は米国とオーストラリアだ。
質検総局が提供した今年7月25日版の「動物疾病流行国・地域からの輸入を禁止する動物および動物製品の一覧表」によると、日本の牛肉は明らかにリストに入っている。日本は牛肉と関連製品の輸入が禁止されているだけでなく、偶蹄類と家禽類、およびこれらの関連製品も口蹄疫や鳥インフルエンザのため輸入が禁止されている。
▽国産牛肉を神戸牛と偽る
上海市食品薬品監督管理局の法律執行担当者によると、上海市の複数の日本料理レストランを対象にこのほど強制検査を行った。最初に検査した店では、責任者が客に対し、店で出している牛肉は日本からの輸入肉だと保証していたものの、検査により実は国産肉またはオーストラリアからの輸入肉だったことがわかった。同担当者はこの店から国産牛肉やオーストラリア牛を購入した時の発送伝票を押収したという。