中国の富豪で慈善活動家としても知られる陳光標氏が16日、「米国の貧困者、ホームレス1000人に無料で昼食を提供し、1人当たり300ドル(約3万円)の援助金も支給する」とする一面広告を米紙ニューヨーク・タイムズに掲載した。自己犠牲的な精神で人民に奉仕する人の代名詞となっている「雷鋒」の精神や慈善活動の理念を提唱し、「中国経済のアップグレード版」をPRするのがねらいだ。新華網が報じた。
中国語と英語の2カ国語で掲載される同広告によると、陳光標氏は25日午前11時半から午後1時半までニューヨークのセントラル・パークのあるホテルで同活動を行う。広告には、申込者のためにメールアドレスも記載されている。
広告にはこのほか、▽新時代の雷鋒の精神を発揚▽慈善活動を通して中国の富豪のイメージを樹立▽8月に行われる南京ユースオリンピックの成功を祈る▽中国経済の今後の発展の方向性---と題する、4つの内容が記載されている。
陳氏は雷鋒について、「人民に心を尽くして仕え、他の人を助けることを喜びとし、国家を愛した。そして、質素な生活を送り、無私の気持ちで貢献し、自分の仕事に勤しんだ」と紹介。中国経済の今後の発展に関しては、「中国経済崩壊論」や「中国経済が世界一になる」という説を否定している。
また、「昨年から、中国の新指導部が経済転換やグレードアップをめぐる一連の政策を打ち出しており、中国経済の継続的な発展につながるだろう」と予測したほか、「発展のモデルチェンジを遂げている中国について、世界に知ってもらい、各国の優秀な人材、特に多くの華僑や留学生、科学技術の分野におけるエリートに中国で起業、投資を行ってもらいたい。私は喜んでそのためのかけ橋になる」としている。
広告にはさらに、中国語と英語で、陳氏が長年提唱している、マナーを守ることや水や電気を節約すること、出された食事は食べきること、自転車に乗り車は控えること、野生動物や世界遺産を保護することなどの理念が書かれている。
陳氏が応援している南京ユースオリンピックは、2008年の北京オリンピックに継ぐ大きな国際大会で、8月16日から28日まで開催される。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年6月18日