当局者は迷い、傍観者は冷静で、その横で自動車産業が新エネルギー車の未来をめぐって休まず論争を繰り広げている間に、消費電子大手のサムスンとパナソニックが車載用電池市場に勢いよく進出してきた。「北京商報」が伝えた。
サムスン傘下のサムスンSDIは9日、フォードと提携して高効率・軽量の電池技術の開発を進めることを明らかにした。乗用車やトラックを含む交通の道具が、より軽く、より効率の高い電池を利用できるようにしたいという。同社の電池は重さわずか4530グラムほどで、一般的なハイブリッド車用電池より40%ほど軽い。
この情報が伝わると、業界関係者の間ではサムスンが今後自動車市場に復帰するのではないかとの見方が広がった。関連のルノーサムスン自動車はこれまでサムスングループに多大な利益を計上してきたからだ。サムスン中国法人の関連部門の責任者は、サムスンの今回の動きは電池業務の発展が狙いだとして、自動車市場への復帰の見方を否定した。また2000年に自動車業務を徹底的に切り離したことを紹介し、現在のサムスンとルノーサムスンにはいかなる関係もないと述べた。
ここ数年来、サムスンは新エネルギー業務に期待を寄せてきた。11年には史上最大規模の投資を行い、電子業務だけでなく、新エネルギー業務や医療機器業務などにも進出すると発表した。車載用電池は新エネルギー業務の最重要ポイントだ。
パナソニックも同様の計画を発表した。パナソニック中国法人の関連部門の責任者によると、日本のパナソニック本社は米国のテスラモーターズと共同で米国に車載用電池工場を設立する計画で、投資総額は1千億円(約9億7900万ドル)に達する見込みだという。
この工場は17年に稼働する予定で、パナソニックからテスラへのリチウムイオン電池の供給を強化するとみられる。パナソニックの最近の発展状況をみると、利益獲得力の低い業務を多数切り離してきたが、電池業務を含む新エネルギー業務は保留している。またパナソニックはさまざまな場面で、電池市場への期待感を表明している。