中国外交部(外務省)報道官は先日、南京大虐殺と日本軍の慰安婦強制連行に関する貴重な歴史資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録申請したことを明らかにした。日本政府が不当にも中国側に申請の取り下げを求めたことに、日本国内の見識の高い人々から強い批判の声が上がっている。見識の高い日本人は中国による登録申請を、大変意義のある事だとして支持している。
ある匿名希望の日本の社員は人民日報の記者に「日本国内には、中国政府が日本軍の残虐行為を記録した歴史資料を世界記憶遺産に登録申請したことを支持する普通の民衆が多くいる。『歴史を鑑としてこそ、未来に向かうことができる』からだ。だが現在の日本国内の雰囲気のために、多くの日本人は公に意見を表明する勇気をなくしている」と語った。
熊本大学教育学部の堀浩太郎教授は人民日報の取材に「安倍政権は南京大虐殺や日本軍の慰安婦強制連行という史実を歴史教科書から削除しようとしている。この節目において、中国がこれに関する歴史資料を世界記憶遺産に登録申請したことで、さらに多くの世界の人々がこの史実を知ることができる。世界記憶遺産に登録されれば、さらに多くの人々がこうした資料を読み、この歴史を知ることができる。これは大変意義のあることだ」と指摘した。
南京大虐殺の被害者と加害者の証言を多数収録したドキュメンタリー映画『南京――引き裂かれた記憶』を制作した日本の「銘心会」代表・松岡環氏は中国政府のやり方に賛同の意を表明した。松岡氏は14年余りの時間を費やして、南京大虐殺に加わった日本の軍人250人および南京大虐殺の被害者300人余りに対して自費で調査を行い、これらの証言をドキュメンタリー映画にまとめて、南京大虐殺という歴史上の事実を日本の民衆に紹介した。
松岡氏は人民日報の記者に「この件に対する日本政府の姿勢から、日本政府が過去の侵略戦争で犯した罪を極力否定またはできる限り避けようとしていることがうかがえる」と指摘。「南京大虐殺は日本の発動した侵略戦争がもたらした重大な惨劇だ。調査の過程で、私は南京大虐殺の被害者が心身に負った傷や家族を失った痛みを身にしみて感じた。過去の侵略戦争の罪を勇敢に認めてのみ、日本はアジア各国の人々の尊敬を得ることができる」と述べた。