量子衛星「墨子号」がこのほど、国家天文台地上拠点との通信試験に成功した。専門家によると、これは量子通信のルートがすでに開通したことを意味する。中国科学報が伝えた。
地上拠点が赤い光線を放ち、「墨子号」から発射される緑の光線と呼応する写真が、ネット上で注目を集めている。研究者によると、これは国家天文台興隆地上拠点が「墨子号」と通信試験を行っている最中の写真だ。
写真に写っている光線は光ビーコンと呼ばれ、量子通信の実施前に地上と連絡し、位置を確定するため使用されるものだ。清華大学物理学部の王向斌教授は「今回はまず強い光線によりお互いの位置を特定し、ルートを開通させてから、量子通信を実施していく」と説明した。
専門家によると、試験で使用される光ビーコンは大気圏を通過しなければならないので、その安定性も維持しなければならないといった配慮から、量子科学実験衛星チームは大気光学の調査研究を踏まえた上で、最も試験に適した光を選んだ。
「墨子号」の今月16日の打ち上げ成功から、朗報が相次いで届いている。8月26日未明、衛星の装置は細く絞った光ビーコン(エネルギー量が増え、発散角が狭まる)を放った。国家天文台興隆地上拠点は宇宙とのリアルタイム接続を実現し、850nmの通信信号を受信した。同拠点は5ヵ所の地上量子通信拠点のうち、接続テストに初めて成功した地上拠点となった。27日未明には再び宇宙と地上の接続が行われ、興隆地上拠点は衛星連結試験の条件を初歩的に備えた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年8月31日
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