一昨日は8月15日だった。毎年この日、またはこの日の前後には、日本政界の右翼保守政治屋がA級戦犯を祀る靖国神社を「敬虔に」「参拝」する。今年も自ずと例外ではなかった。これについて、人民網は中国社会科学院日本研究所の厖中鵬副研究員に話を聞いた。厖氏の指摘は次の通り。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所副研究員)
このような特別な日に、日本の安倍晋三首相は形を変えた間接的方法で靖国神社を「参拝」した。8月15日午前、自民党総裁特別補佐の西村康稔氏が靖国神社で安倍氏に代わり「玉串料」を納めた。日本の超党派議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は15日午前に靖国神社を集団で参拝した。自民党、民進党、大阪維新の会など衆参両院の議員約70人だった。高市早苗総務相と丸川珠代五輪相は同日午後にそれぞれ靖国神社を参拝した。自民党の小泉進次郎農林部会長は15日午前に参拝し、今村雅弘復興相は11日に参拝。山本有二農相は6日に参拝したことを明らかにした。
特に考えさせられるのは、安倍氏が15日に東京で開催された「全国戦没者追悼式」で、いわゆる「戦争の悲劇を決して繰り返さない」と強調する一方で、2013年以降の3回の式辞と同様、歴代首相のようにアジアに対する加害と反省を表明することはなかったことだ。安倍氏は式辞で「歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献する」としぶしぶ指摘したが、過去3回の式辞同様、「不戦の誓い」というキーワードは使用しなかった。
安倍氏はA級戦犯を祀る靖国神社を「形を変えて参拝」する一方で、8月15日の式辞で非常に曖昧に第2次大戦の侵略戦争を回避した。これは言わずとも明らかであり、深い意味がある。
まずこれは、憲法改正と新安保法の真の実施を推し進める安倍氏の企てを示している。今年の8月15日の式辞は参院選を経て改憲勢力が3分の2の議席を掌握し、安保法が正式に施行され、改憲の議論と軍拡・戦争準備が加速し、第2次大戦後の平和的発展路線が試練を受ける中で発表されたものだ。安倍氏の最終目的は依然改憲という「大業」を成し遂げ、日本が自由に軍事力を使って海外で様々な軍事任務を遂行できるよう憲法上の障害を取り除くことだ。このため今年の8月15日の式辞は定例の年次式辞ではあるが、安倍氏の真意がうかがえる。8月15日という日は避けられず、この日に多少の表明をしなければならない。だが各方面の利益のバランスも取らなければならない。戦没者の遺族と子孫の心情に配慮すると同時に、右翼保守勢力の利益に反することもできない。このため安倍氏は式辞で「戦争の悲劇を繰り返さない」と述べると同時に、「アジアに対する加害と反省」「不戦の誓い」といった重要な言葉は故意に避けた。実のところ、安倍氏は「戦争の悲劇を繰り返さない」と述べたが、この「戦争」は一体どういう意味の「戦争」を指すのか?「侵略戦争」なのかどうか?安倍氏は「言明」しなかったし、そうしようともしなかった。
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