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蘇家屯という町で日本語を教えている小糸英樹さん

人民網日本語版 2017年01月04日16:53

 配属されているのは、中国東北三省の一つ、遼寧省です。遼寧省の省都・瀋陽の中心部からバスで50分ほどの所に蘇家屯(そかとん)という町があります。蘇家屯の特徴を一つ上げるならば、朝鮮族の方々が多い町であることです。街に出れば、東北方言の中国語だけでなく、朝鮮語も耳に入ってきます。目にする看板も中国語・朝鮮語の二言語表記のものが少なくありません。そのような環境にある朝鮮族主体の中高一貫校が配属先です。瀋陽市朝鮮族第二中学と言います。教員の背景や科目にもよりますが、ここでは朝鮮語を使って授業が行われています。このために韓国から来ている留学生もいます。

 ここでの活動は大きく二つに分けることができます。一つは生徒への日本語の授業で、もう一つは日本語科に5名いる同僚教師の日本語能力向上のサポートです。中心となっているのは日本語の授業です。

 朝鮮族第二中学では中学に入学すると1ヶ月の選択期間を経て、その後勉強する外国語を日本語か英語のどちらかに決めなければなりません。ほとんどの生徒が、このときに選んだ言語で、高校入学試験の外国語を受けます。それから、高校での外国語に関しても、同じように日本語か英語の選択制となっていますが、多くが中学のときに選んだものを続けて学んでいます。大体、全校生徒の3分の1が日本語を勉強しています。日本語を選ぶ理由はいろいろとあるようですが、その中でも目立つのが日本のアニメや漫画に対する興味から日本語を勉強しているということです。日本でよく知られている作品は中国でも知られていて、アニメ好き・漫画好きの生徒になると、その豊富な知識に圧倒されます。宿題や勉強に追われることが多い中国の生徒が、そんな時間の合間を縫って数多くの作品を視聴していることには驚かされますが、やはり好きなモノに対する原動力というのは尽きることがないのでしょう。

 日々の授業に関して言うと、外国語の授業は毎日あり、外教(外国人教師)は、各学年、週一日ずつ担当しています。そして、これは外国語に限らないことですが、生徒には多くの宿題や小テストなどが課されています。その目的は中考(高校入学試験)と高考(大学入学試験)のためのものです。これらの入学試験は中国の生徒にとって重要なできごとの一つと言ってもいいでしょう。受験の時期が来ると、それを巡るニュースをよく目にします。朝鮮族第二中学も例外ではなく、特に、中考には力を入れて取り組んでいる様子が窺えます。そんな雰囲気の中、外教に求められている役割はネイティブならではの強みを活かした授業で、具体的に言えば、入学試験にも含まれている聴解や作文を扱うことが多いです。その一方で、試験のための日本語から離れたものも求められています。

 


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