日本人は真面目で細やかというのが一般的なイメージだろう。そうしたイメージから次第に「メイド・イン・ジャパン」は高品質を意味するようになっていった。ところが近年、日本企業の不正問題とスキャンダルが相次ぎ、経営者たちがスポットライトを浴びながら頭を深々と下げ謝罪するシーンをたびたび目にするようになった。技術不正やデータ偽造は品質の神話を崩壊させた。日本企業が「向こう見ず」になっている深い原因はどこにあり、そしてこうした現象は日本社会にどのような悪影響を及ぼすだろうか。
三菱自動車は4月、燃費データ不正問題が発覚した。これには軽自動車2車種、日産にOEM供給する軽自動車2車種が含まれる。三菱は8月にも燃費不正問題が明らかになり、パジェロなど8車種がその騒動に巻き込まれた。結果、燃費データ不正車数は62万5000台以上にのぼった。
三菱の問題には、まず市場競争の圧力という外因があげられる。自動車メーカーとして日本で第6位の三菱はその市場競争で劣勢に立たされていた。例えば燃費がより重視される軽自動車市場で、三菱の2015年のシェアは3.2%のみだった。企業が「一致団結」し、データを書き換えたのは、社内の柔軟性に欠ける雰囲気による影響がある。経済評論家の古川猛氏は、三菱自動車は古くから日本経済を支えた老舗軍需メーカーである三菱重工業の子会社であり、親会社の傲慢な「血統」を受け継いでいると分析している。経営層は保守的で、社員は上司の言いなりという社風のため、「上司の命令に従う企業の雰囲気が、このような(データ偽造)問題が生じた根本的な原因だ。企業と役員が強い圧力をかけるなか、違法な手段が採用されたとしても、誰もがこれを座視するだろう」と指摘している。
同じく厳格で規範的な管理で知られる、100年の歴史を持つ東芝も近年、不正会計のスキャンダルに陥っている。これには業績悪化と、役員が業績を粉飾したことが原因だ。古川氏は大企業の経営を高速で走行する大型トラックに例えている。急ブレーキ(企業における抜本的な改革)をかければ、横転しやすい。株主を刺激し、株価の下落を防ぐため、トラックは走り続けるしかない。こうして間違った道を歩み続けることになる。政治評論家の本澤二郎氏は、東芝の不正会計は悪質で、日本の株価に大きな危害をもたらしたとの見方を示し、「東芝の組織ぐるみの不正行為は、内部からの有力な告発がなければ、明るみに出なかっただろう。(本件は)日本の証券・株式市場に深刻な影響を及ぼした」と断じている。
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