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吉田修一氏―リメイク作品にも携わり、作品を守る堅い意思を持つ作家 (2)

人民網日本語版 2017年01月16日14:28

日本の小説映画化はなぜこれほど完成度の高いものとなっているのだろう?吉田氏の言葉に、その答えの一端が隠されている。監督の選考から自らの手で脚本を書くことに至るまで、映画化の成功は原作者の参与度と大いに関係があるというのだ。

某メディアの報道によると、李相日監督が日本のメディアに対し、吉田氏とともに脚本作りを進めた時のことを回想しながら、「我々2人は、みんなが良く遊ぶキャッチボールのように意思疎通しながら仕事した。だが、このキャッチボールは本当に長い間続いた」と話した。

吉田氏は映画の脚本を作る過程で、自分は小説の原作者ではあるが、映画作りについては全くの素人であることがだんだんとわかってきたという。「悪人」の脚本作りは、本当に苦労と困難の連続だったが、吉田氏はそれから多くの事を学んだという。当時、李監督から、「まだ心の奥底までは書かれていない」と指摘された時、吉田氏は、自分の心情と完全に一致する脚本ができあがるまでただやり続けるしかなかった。2010年に完成した「悪人」は、一般公開に先駆け、同年のモントリオール世界映画祭で最優秀主演女優賞を受賞した。また、同年、日本国内の映画祭でも数々の賞を受賞、興行収入もかなりの成績を収めた。

○作家は「名前を売るか、それとも作品を売るか」、それが問題だ

「リメイク作品は決して万能ではない。リメイク作品には、『商品であるが作品ではない』という限界がある。たとえ原作者が名作家であっても、それだけで100%の成功を保証できない。だから、常に戦々恐々とし続け、さらに上を目指すしかない」と話す吉田氏は、一作家として、映画・TV界においてリメイク作品は万能選手ではないと釘を刺した。

リメイク作品は数年前から人気が出始め、その隆盛ぶりは現在でもいっそう高まっている。ハリウッドでは、「アイアンマン」、「キャプテン・アメリカ」、「超人ハルク」などのコミック原作のヒーロー作品がロングシリーズになっている。中国では、リメイクドラマはありとあらゆるものを網羅しており、時代劇、現代劇、職場、仙侠(仙人もの)、侠客(任侠もの)などのさまざまなジャンルがある上、投入資金も巨額で、有名俳優を起用している。だが、これらの豪華作品の背後で、我々は原作者について何も知らないということは、避けられない事実である。


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